高華の不死鳥第四章 (ページ16)

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第158話これからページ16

ﾕﾝ「そして注目！」

ｾﾞﾉ「おっかないぼうずだなぁ」

貴「私達の中で一番発言権がある自称天才美少年よ｣

ﾊｸ「覚えとけ美味い飯にありつきたくば」

ﾕﾝ「ようやく当初の目的である四龍がそろいました」

ユンに注目をした私達は拍手をパチパチとおこし、次の言葉を大人しく待つ。

ﾕﾝ「そこで俺には一つ気になる事があります。
イクスの予言です｣

貴「あぁ。四龍が集結した時、王を守護する剣と盾が目覚める･･･っていうのね｣

ﾕﾝ「そうっ。ここで言う王はヨナの事だとする」

ﾖﾅ「私？」

ﾕﾝ「何かが起こるのかと思ってたけど特に何もないし、ただ騒がしくなっただけ｣

貴「予言通りでいけば、次の問題は剣と盾ね｣

ﾕﾝ「そうなんだよ、ヨナが使うべき剣と盾を探しに行けと言うことなのか。現国王スウォンの事ならば何をすべきか、変わってくるしね」

貴「･･･」

その名に顔を僅かに俯かせると手を握り締めた。

姫様、ハクも同様、顔に影を落としては口をぐっと噤んでいた。

ｷｼﾞｬ「そやつは王位を簒奪し、姫様を城から追い出した逆賊であろう。正当な王などではない。

たとえ、その予言の''王''がスウォンだとしても、その者が剣と盾、軍備を拡大し国を覇道へ導くならば我々四龍は歪みを正すべく闘うぞ」

ﾕﾝ「ともかく、このままでは手掛かりがないばかりかどこへ向かっていいか分からない！」

ｷｼﾞｬ「そのようだな、どうする？」

ﾕﾝ「ちょっとイクスのとこに話を聞きに行く」

ﾊｸ「あの、のほほん神官が心配だもんなぁ」

ﾕﾝ「違わいっ･･･！」

照れたように否定するユンに姫様と顔を見合わせると小さく笑った。

───そうして一行は風の地北山の谷へ。

ﾕﾝ「着いたよ。まだ3ヶ月も経ってないのに何年も帰ってない気がする」

ｼﾞｪﾊ「忘れ物取りに行くみたいな気軽さで言ってたから近いのかと思ってたよ」

ﾕﾝ「コソコソ歩いてるから遠回りなの。
イクス！戻ったよ。･･･!?」

家に入ろうと覗いて見れば、中の状況に驚きを隠せず動揺をあらわにした。

ﾖﾅ「なに･･･っこれ」

貴「神官様は!?」

家の中を見渡せば倒れている神官様。

すぐにユンがかけより抱き起こせば声を震わせ、涙を溜めていた。

ﾕﾝ「イクス！なんで･･･っ」

ｲｸｽ「あれ･･･ユンくん」

ﾕﾝ「待って！今手当を──･･･」

ｲｸｽ「お腹すきすぎて･･･すべって転んじゃった･･･」

ﾕﾝ「え･･･？」