番外編1 ページ49
窓から外を見るともう真っ暗、空を見てみるとチラホラ星が見えるほど。
貴「そろそろ片付けしないと｣
部室で台詞の読み合わせや衣装の確認などしていれば、あっという間に時間は過ぎていく。
撤収の号令をかけようとした時、部室に悲鳴が響いた。
｢キャ───ッ!!!｣
皆の視線が集まると女子部員が数名悲鳴をあげ、中には男子部員も逃げ惑っている。
｢うわぁ！｣
｢で、でたっ!!｣
｢やばい！黒い･･･''アイツ''がっ!!｣
貴「！｣
ロッカーから学校の予備のスリッパを手に掴むと悲鳴を上げていた女子部員に声をかけた。
貴「''アイツ''･･･どこ？」
｢あ、あそこ！あの棚の後ろに･･･わあっ、また出てきた！･･･って、副部長!?｣
貴「あそこね｣
スリッパを片方の手の上で弾ませて標的の場所を把握するとスリッパを持つ手を振り上げた。
勢いよく腕をまわし、スリッパを離すと''黒いアイツ''目掛けて豪速球のように飛んでいく。
丁度スリッパの底部分がヒットするとビニール袋とティッシュを数枚持ち、速やかに処理を行う。
貴「よしっ、これで大丈夫──」
振り向いた瞬間、拍手がわくと｢えっ？｣と目を丸くした。
鹿島「A、カッコよかったよ！
意外だったよ、虫とか苦手そうだったからさ｣
堀「あー、コイツ虫は平気なんだよ」
貴「アレは主婦の敵だからね」
鹿島「あ、一人暮らしだもんね。でも頼りになるなー！｣
｢ホント！意外な一面見れたよね！｣
貴「へへっ、そんなに褒められると嬉し───｣
和気あいあいと話していた瞬間、バチンっと真っ暗になる部屋、外も暗いため光は入ってこない。
鳥肌が全身に立つと肩をビクッと跳ねらせた。
鹿島「あれ停電？｣
｢あ！悪ぃ、間違って電気のスイッチ押してたわ！スグつける！えっ〜と･･･スイッチは、あ！あった｣
鹿島「お･･･ついた、ついた！って、あれ？A？｣
｢あれ、ホントだ？今までここにいたよね｣
堀「あー･･･ココだ｣
堀の背中に顔を埋め、ギュゥと抱きつき子犬のようにプルプル震えるA。
『(──いつものAだ･･･!!!)』
鹿島「暗いの苦手ですもんね」
堀「まあこれっばっかりは･･･若干トラウマみたいなもんだからな」
鹿島「きっかけがあるんですか？」
堀「あー･･･A、いいのか？」
貴「･･･ありがとう政兄、落ち着いた。ンー、少し恥ずかしいけど、遊になら話してもいっかな。帰りながらで良かったら話すよっ｣˙
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 205人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりあ(プロフ) - すごく面白いです！続きがとても気になります！待ってます！ (2020年4月26日 7時) (
レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
ルート(プロフ) - ！？！？！？！？更新されているだと！？お帰りなさい！！待ってました！読み返してきます！！ (2019年10月30日 22時) (レス) id: 099aeabd28 (このIDを非表示/違反報告)
カナ霆(プロフ) - とても面白いです！一気に読んでしまいました(´・ω・｀) 続きが待ち遠しくてなりません！ お体に気をつけて更新頑張ってください！この後の展開が気になりますねぇ(´ω｀) (2018年4月3日 20時) (レス) id: 63ee96b67e (このIDを非表示/違反報告)
one day - 細かいこと言って申し訳ないのですが、演劇部のプリンセスがプリンスになってますよ (2018年2月5日 18時) (レス) id: c1aec90cd0 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 続きが気になる！！！！更新ありがとうございます！！！！！更新ありがとうございます (2018年1月28日 0時) (レス) id: e7cea7fca8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
