ＴＡＬＥ１８ ページ20
辺りがすっかり暗くなり、街灯の灯りがより一層輝きだした
円堂「てりゃ！」
円堂「だぁっ！」
それでも、特訓を続ける円堂
慈乃はそれをただ見守っていた
すると、タイヤを止めた円堂の手が一瞬だが光出した
慈乃「！？」
円堂「やった…どぅわぁ！！」
勢いに負け円堂は吹っ飛んだ
慈乃「今の…」
風丸「無茶苦茶だな…その特訓」
円堂の目の前には制服姿の風丸が立っていた
円堂「風丸！？」
慈乃「風丸くん…」
風丸はタイヤを掴み円堂を起き上がらせた
風丸「変な特訓してるんだな」
円堂「ああ、アレだよ」
円堂は特訓ノートを指差した
＊
風丸「よ、読めねぇ…」
風丸は特訓ノートを読むが解読は困難だったようだ
風丸「お前、これ読めるのか？」
円堂「うん、読めるよ。シュートの止め方が書いてあるんだ」
風丸「へぇ…」
円堂「それ書いたのじいちゃんなんだよね」
風丸「じいちゃん？」
円堂「ああ、俺が生まれる前に死んじゃってるけどね。昔雷門サッカー部の監督だったんだってさ。そん時作った特訓ノートらしい。帝国学園はスピードもパワーも想像以上さ。そいつらのシュートを止めるには、じいちゃんの技をマスターするしかないって思ってさ」
円堂の目は本気と書かれたように慈乃には映った
風丸「ﾌｯ…お前本気で帝国に勝つ気なんだな」
円堂「ああ！」
風丸「ん」
風丸は円堂に手を差し出した
円堂「え？な、なに？」
風丸「お前のその気合い乗った！」
円堂「ﾊﾟｧｧｱ)ありがとう風丸！！」
円堂は手を握り返した
慈乃はそれを見て分かりづらいが頬を緩めた
風丸「俺はやるぜ…お前らはどうするんだ」
風丸がそう言うと、木影の辺りから顔を出すサッカー部の部員たち
宍戸「キャプテン…」
壁山「どうも…」
円堂「みんなぁあだっ！！」
円堂は背負っていたタイヤの重さで倒れた
栗松・壁山「キャプテン」
部員たちは円堂の周りに駆け寄った
栗松「大丈夫でヤンスか？」
染岡「帝国と試合する前にお前の方がバテるぞ」
円堂「へへっ、大丈夫だって」
風丸「こいつら俺が来るよりも前からお前らのこと見てたみたいだぞ」
円堂「え？」
半田「円堂たちが他の運動部に声をかけてるのみてたら」
染岡「ちょっとな////」
栗松「その特訓もなんかこう胸がジーンと熱くなってきたでヤンス」
栗松は綺麗な涙を流し出した
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作者名：丸井ゆり | 作成日時：2022年3月10日 20時
