【BROTHERS CONFLICT】さくらにわらえ【2】 (ページ14)

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雰囲気のせいもあってか、今日はお酒がすすみ、あっという間に一缶飲み終わってしまった。

もう一缶飲んでしまおうと手を伸ばした時、梓くんから声をかけられた。

「あ、A。髪の毛に桜の花がついてる。」

「え、本当？どこ？」

「ここ。」

そう言って、私の頭に手を伸ばして取ってくれる。

「ほら。」

梓くんの手の中の桜は、花びらが離れることなく、元の形を保ったままだった。

「わ、すごい。花びらが全部くっついてるなんて、珍しいね。」

「そうだね。もしかしたら、春の神様からの贈り物かもね。」

なんて、ふんわり微笑んで言うからこっちが照れる。

「そうだったら素敵だね。……梓くん、もう酔ってる？」

「そんなことな―――」
「―――Aー！」

反対側からの強い衝撃。

「うぎゃっ……！椿くん！？」

勢いのまま体重を預けて抱きついてくる。

「Aー！なに梓とばっか、いちゃいちゃしてるわけー？俺ともいちゃいちゃー。」

「うっ……、おーもーいー！別にいちゃいちゃなんてしてないってー！ねえ、梓くん。」

梓くんに視線を向け、同意と助けを求めた。

「そう？僕はいちゃいちゃしてたってことでも良いんだけど。」

「梓くん、やっぱり酔ってるよね！？」

だんだんとこっちの酔いが醒めてくる。