嫌よ嫌よも好きのうち《 Shoma.Uno 》 (ページ17)

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貴方.

『昌磨……お肉食べて』

「無理」

『何で！野菜と交換してあげるから！』

「無理なもんは無理なの」

寝てスッキリしたかと思ったけど、あの後も割りとしんどくて、ご飯を食べる気分じゃなかった。
元気を出すために、とたくさん盛られたお肉が辛い……野菜が少ない。少なすぎる。

いつもなら昌磨と交換して美姫さんに怒られるんだけど、今日の昌磨はそれをしてくれない。嫌そうな顔をしながら、野菜を食べてしまった。

『慣れないことしたら身体に悪いよ？』

「Aのためなんだから邪魔しないで」

『こんなときに思いやってくれなくていいよ！』

「うるさい、肉食べろ」

『んっ！』

ほぼ無理矢理口に詰め込まれたお肉。美味しくないわけじゃなくて、ただ食べられないだけ。理由が分かってたら苦労はしないのに……口に入れた以上仕方なくそれを噛んでいると、昌磨は満足そうに頷いた。

「ねえ……それ、素なの？」

『え？どゆこと？真凛』

「いや、ねえ……一希くん、」

「真凛ちゃんの言いたいことは分かるよ」

「友野くんまでどうしたの？」

『本当に。何かあった？』

「……いいです。気にしないで」