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貴方.
「……あと、Aちゃんにこれだけは分かっててほしいと思うことがあって、」
『?』
仁人くんは優しく笑って、
そしてすぐ真剣な顔になった。
「勇斗は血が繋がってなくても、Aちゃんのことを大事に思ってるから。
それだけは何も変わらないし、これからもずっとそうだからね。」
仁人くんの言葉は、
多分私がずっと求めていたもので
頰に涙が伝った。
妹じゃなくてもいいから、
お兄ちゃんに愛されている証拠が欲しかったんだ。
「一人じゃないんだよ、Aちゃんは。
勇斗くんも、悠稀も、仁人くんも……勿論、瑞生くんや太智くんも。皆がついてるんやから!」
『ありがとう、本当に……』
「今はたくさん泣いて、また明日、勇斗と話そう」
『うんっ……』
二人に見守られながら、
私はゆっくりと眠りについた。
明日、お兄ちゃんとちゃんと話そう。
逃げてちゃダメだ。
何にも変わらないから。
「……いいの?仁人くん」
「いいっていうか、俺が決めることじゃないから。
Aちゃんが選ぶ幸せが、俺の幸せだよ。」
「損してるよなあ、ほんま。
悠稀が慰めてあげるよ」
「そんなのいいから寝ろ(笑)」
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しおみるく - 面白いです。更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2017年12月13日 13時) (レス) id: 281520950b (このIDを非表示/違反報告)
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