ファッションオタク【 海月姫 】

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貴方.



『クラゲオタクじゃなくても、凄く綺麗だって思いますよね』


「そうだな。女子はふわふわしたものが好きそうだし、」


『蔵子さんは違うんですか？』


「っお、わ、私は……可愛すぎるものはちょっと、ね」


『なるほど！』






ゆらゆらしたり
きらきらするものは

どんな人でも見入ってしまう。


私の場合は、それが

綺麗に揺れるドレスの裾だったのだ。






『クラゲって、何だかドレスみたい……』


「ドレス？」


『こっちのクラゲは、シフォンドレス。

ふわふわしてて可愛らしいと思うんです、ドレスにしたら』


「なるほどな。こっちはペンシルドレスっぽくない？細身の、」


『わあ！素敵ですね！』






誰かと話していてこんなに盛り上がったことは初めてで、

何だかとっても幸せな気持ちになった。


そのとき、月海ちゃんの方を見ると
なぜか彼女は泣いていて

修さんの焦る姿が見えた。






『蔵子さん、あれ……』


「ん？……あいつ、月海のこと泣かせたのか？」


『そんな風には見え……っ、！！』






慰めようとしたのか、

月海ちゃんを強く抱きしめる修さんに
喉の奥がキツく締まる感覚がした。


あのときと、

同じだ。






＿＿お前のことなんか本気にするわけないだろ！


＿＿そんな服、お前に似合うわけない


＿＿調子乗んなよ、地味なくせに






『やだ……っ、』


「A？！おい！しっかりしろ！」






目眩がして、

視界が真っ暗になった。

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