幼なじみに友情は成立するのか[utkn] ページ7
「俺暑いのいややわぁ… 」
ブツブツとどうにも出来ない自然現象に愚痴を言いながら照りつける太陽で暑くなった自転車に嫌々乗る。
乗れば生暖かい風さえも涼しく感じる。そうなればそのまま家に帰るだけその予定だったのに、
ぽつり
「冷たっ。」
頭上に落ちてきた1粒の雫。
それに続いていくつもの雫が落ちてきた。
「あ、雨か？」
生憎レインコートなどは持ち歩いていない。
「夕立や、激しくなるで。」
彼の声とともにもう少し進んだ先にある、公園へと自転車を急がせた公園に到着し、急いで屋根のあるベンチへ行く。
雨はすでにぽつぽつなんて可愛い音ではなく、ザーッというノイズのような音に近いくらい強くなっている。
地面めがけて落ちていく雨は針のような細かく当たると痛いくらいだった。
「はよ止むとええな。」
｢おん。｣
そんな彼の返事がやっと聞こえるくらいのうるさい雨の中。
「そ、そうやシッマ。濡れたやろ。タオル貸したる…っ…」
何故か沈黙してしまった。
沈黙は流石に耐えられないし、このまま濡れていると彼が風邪をひくと考えタオルを差し出そうと目線を彼に合わせる。
不覚にもシッマに見とれてしまった。
水に濡れさらに鮮やかさの増した金髪に、 水滴が滴るくらい長いまつげ。まだ焼けてない白い肌の頬を、首筋を、太ももを伝う水の筋。
そんな彼を目の前にして言葉に詰まってしまった。
おかしい、普段はこんなこと考えないのに。
なぜかいつもより色っぽく見えてしまう。
これはあの時の友人のせいだろうか…
「いや、俺はええよ。それより、大先生顔赤いで？風邪ひいたんちゃうか…？」
そう言って近づいてくるシッマ。
ぼーっとした頭で考えるまもなくそのまま反射的に彼に口付けをした。
口を離せばその瞬間、真っ白だった君の顔が真っ赤に染まった。
「なっ……なっ、」
目を見開き涙目で口をぱくぱくとさせる彼
「シッマが悪いんやで…」
そんな彼から目をそらして言い訳をする。
そんなことを相手に告げても迷惑なだけだろうけど。
重たくなった空気感。しかし、雨のように青くて冷たくはない。
彼らの空気は、ほんのりピンクに染まった。
想いを煙に乗せて[sypem]→←幼なじみに友情は成立するのか[utkn]
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほたる。(プロフ) - あーさんさん» 褒めていただき幸に思います！頑張らせていただきます！ (2019年6月19日 6時) (
レス) id: f295757b07 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん - 好きです！あなた様の小説に出逢えた事を感謝します！! (2019年6月18日 22時) (レス) id: 0652a77bbc (このIDを非表示/違反報告)
ほたる。(プロフ) - らららさん» そう言って頂けて幸いです！頑張りたいと思います！ (2019年6月18日 20時) (レス) id: f295757b07 (このIDを非表示/違反報告)
ららら(プロフ) - えっえっ絵柄可愛い…！文の書き方もお綺麗で…更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年6月18日 20時) (レス) id: 413b955863 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほたる。 | 作成日時：2019年6月17日 21時
