三毛縞斑__太陽は月を隠すらしい。 ページ5
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独りは寂しいよ、誰か助けて、おねがい。
そう言っても誰も助けてくれなくて、泣いても泣いても私はひとりぼっちで、どうしようも無い。先生の変な推薦のせいで入ってしまったプロデュース科。そこから私の立場は悪化したのだ。
常に教室の隅っこに追いやられる様な私の性格は近くにアイドルがいたって変わらない。むしろ私にアイドルみたいなキラキラした存在は明る過ぎて、つらい。
…本当は誰も助けてくないんじゃない、私が他人に助けを求められないだけなんだ。自分でも分かってるんだ…。
「 …Aさん、今日も泣いてるのかあ？ 」
そんな隠れて泣いている私にいつも声をかけてくるお節介な人。太陽みたいな笑顔を私に向けてくる。こんなに明るい人なんだから私の事なんて放っておけばいいのに。
『 三毛縞くんには関係ないでしょ… 』
そう言って私は三毛縞くんを突き放す。それでも三毛縞くんは気にせず私の隣に座って私が泣き止むまでそばに居てくれる……いつもなら。
『 っ！？み、三毛縞くん、なにを 』
「 嫌ならいつもみたいに突き放していいんだぞお？ 」
いつもなら、ただ隣に座っているだけなのに、どういう風の吹き回しなのだろう。三毛縞くんは私を正面から優しく抱き締めてきた。それから私を落ち着かせるように背中をとんとん叩く。
『 なんで、私なんて…放っておけばいいのにっ… 』
…初めて感じる暖かさ。
突き放してもいいなんて言うくせに、離すつもりがあるのかこの人は。声こそ出ないけどしばらく私の涙は止まらない、これじゃあ普段より泣いている気がする。
…今だけ、甘えてもいいかな、なんて。
涙が止まらないのも、そんなことを考えてしまうのも、全部慣れないことをする三毛縞くんのせいだ、そういうことにしてもいいよね。
「 ……放っておける訳ないだろう？苦しんで泣いてるのが惚れた相手ならなあ 」
「 …って言っても、俺はヒーローみたいに優しくないから元から離すつもりなんて無いけどなぁ 」
すくい上げた私の髪に口付けながら三毛縞くんが言った言葉は泣き疲れて眠ってしまった私の耳には届いていなかった。
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逆先夏目__既に堕ちていた。→←日々樹渉__おやすみ、私のアストロ。
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作者名：碧依 ねむ | 作成日時：2020年2月21日 0時
