僕のことが嫌いな彼女。 (ページ6)

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6話ページ6

そーっと近づくと橋の下で彼女はゆっくり歩いていった。
だがしかしいたのはただの野良猫だった。
「この子人見知りで知らない人が近づくとご飯も何も食べずに逃げちゃうんですよ。」
かなり安心したが拍子抜けした。
『なんだそんなことか……焦ったぁ……』
「何だと思ったんですか。」
『いじめとかされてたりするのかな〜って心配だった笑』
「地味すぎていじめの標的にすらならないんです。」
『も〜。言い方がダメだよ。』
「そんなに意味ありげな発言しましたっけ……？」
『俺の考えすぎかも笑』
「だと思いますよ。」
かなり冷静な対応された。
その猫は人見知りと言ってる割には俺にはすぐ懐いてきて手を顔に擦り付けていた。
「え。懐くの早くない？」
『実家で犬飼ってるからかなあ』
「羨ましい。私の家禁止なんだよね。」
『割と色々かってるよ。本当にみんな可愛い』
「いいなあ」
真っ白で青い瞳をした妖艶な猫の名前はAいわくレオらしい。
Aらしい名前でその猫が少し羨ましかった。
『こんなところでかってて大丈夫なのかな。』
「人いないし大丈夫だとは思うけど心配だよね。」
『引き取ろうかな。俺』
「レオは野良猫がいいのかなあ〜。」
「レオはどっちがいい？」
不思議そうな顔でレオはAを見つめていた。
俺に撫でられるとゴロゴロと喉をならすのを見てAが羨ましそうに見つめていた。
「私そんなに甘えられたことないのに。」
『扱いの慣れ方だよきっと。そういえば男なの？女なの？』
「女のコ」
『え？男の子かと思った』
「名前でそう思うよね笑女の子だよ」
『名前の由来は？』
「秘密。」
『えー笑気になんじゃん。』
「前に好きだった人の名前なの。」
『なるほどねー笑甘酸っぺぇ。』
「まあ好きになることは無いだろうね〜他の人を」
『なんで？』
「その人を好きになった事で危害がその人に行っちゃってね。それが少し怖いの。」
『きっとAが気づいてないだけで君のことを好きな人は沢山いるよ。』
「んなわけない笑だって。うん。、」
少し寂しそうな顔をしてる彼女をじっと見つめていた。
「そんなに見つめないでよ笑」
「改めて見ると吉沢くん本当に綺麗な顔してるね。」
『知ってる笑』
「せっかく褒めてあげたのに。」
『なんかね〜顔の事じゃ俺もう嬉しくないんだよ。欲張りだよね。』
「そうかな？仕方ないと思うよ。顔だけしか見られないならもっと他のところ見て欲しくなるよ。」
この子のこういうところが好きだ。