僕のことが嫌いな彼女。 (ページ1)

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新学期の初め。桜が舞い散る頃に俺は地味でなるべく目立ちたがらない彼女に恋をした。

『山田くーん俺どうしたらいいのかわかんないよ』
｢まだ悩んでんの？｣
唯一の親友である山田くんこと山田裕貴に相談をもちかける。
『接点がない。話しかけ方が分からない』
｢パーって連絡先交換してきたらどうなん？亮の顔で断る人いないでしょ｣
『確かに俺顔はいいけど顔だけなんで。』
｢うわぁー笑｣
｢そういうところじゃね？｣
『こういう所かな〜……』
『下校の時行ってみる。断られたら俺泣く』
｢その時は慰めてやるよ。｣

そして遂に来た下校の時。緊張で胸が高鳴る。
『あ、あのAさん！』
「……はい？」
『連絡先教えてくれない、？』
『ほ、ほら！学校のこととか聞けるし…！』
「別に需要ないんで大丈夫です。」
『そ、そんなこと言わずにさぁ笑』
「結構です。あと。いきなり連絡先なんて聞かれても困ります。そして目立ちたくないので話しかけないでください。」
『……分かった。ごめんね？』
「どいてください。」
冷たくあしらう彼女を見つめることしか出来なかった。
目立つのは大っ嫌いでいつも本ばかり呼んでいる子。だから押せば行けると思ったのに。
『馬鹿だなぁ。俺』
悲しい気持ちになった。彼女を軽く見てた自分にも。あんなにも強く断った彼女の態度にも。
｢ダメだったねぇ。｣
山田くんがそう呟く。
『何がダメなんだろ。目立ってるところ？俺だって目立ちたくないよ、、、この顔面がなければ絶対目立ってないのに。』
｢性格じゃね？｣
『性格、、？』
｢亮割と誰にでも優しくてヘラヘラしてんじゃん。ああいう子そういうの嫌いだと思う。｣
『緊張するし嫌われたくないし、、』
｢そういうところだと俺は思うよ。｣
そう言ってスタスタ山田くんは帰って行った。

家に帰っても何がダメなのか結局分からず頭を悩ませる。下の弟達がこんな俺を見たことないからか物珍しそうな顔で見てくる。

仮に俺の事大っ嫌いだとしてもあんな冷たい態度とる必要あるか？
だんだん苛立ちを覚えてた。そうだ。猛アピールしてやろう。委員会とかあの子が応募するところ全部いってやろう。そんな性格の悪い考えで次の日からの行動を早々に決め明日に備える。

『楽しみだなぁ……笑』
そう言いながらくすくすと笑う俺に兄弟達ははかなりドン引きした目で見つめていた。