呪いの王に好かれました２【両面宿儺】

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ベッドから立ち上がり、皺の寄った制服を軽く整えれば食堂へ行く準備をする。


悠仁達も居るかなぁ。



そんな少しの期待を胸に食堂の扉を開けるも、閑散としていた。



『…そりゃそうか。』



すたすたと台所まで歩けば冷蔵庫や戸棚を拝見する。


一応怪我人の私は、まだ胃に優しい物しか口にしてはいけないそうだ。


唐揚げが食べたいと硝子さんに強請ったけど、鬼の様な形相で即却下された。ぴえん超えてぱおん。


えっ古い？知るかそんなもん。



『おっ、あった。』



私が見つけたものは、残ったご飯で作れる簡単雑炊の元。

これなら食べても大丈夫だろう。


念の為炊飯器の中を確認する。

十分過ぎる位の量が余っていたので問題は無さそうだ。



適当に鍋を用意して、箱に書かれた通りの作り方で雑炊を作っていく。

次第にお出汁の効いた良い匂いが周りに立ち始める。


こりゃ大成功だな、と自然と口角が上がってしまう。


零さないよう、お茶碗に移し変えれば席に着く。

1人しか居ないせいか、椅子の引く音がいつもより大きい気がした。



『いただきまーす。』


ふぅ、と軽く冷ましながら口へと運ぶ。



うん、めちゃくちゃ美味い。

隠し味に生姜を入れたのも正解だったな。



そのまま雑炊を食べ進めていると、足音が聞こえてきた。


どうやらこちらへと向かっているらしく、次第に音が大きくなる。


しかも1人ではなく、数人の足音。


誰だろうかと後ろを振り返ると同時に扉が開く。



虎杖「ほら、めっちゃ良い匂いすんじゃん。」

釘崎「…確かにアンタの言う通りだったわね。」

伏黒「腹減った。」



『あれ……皆…？』



私がそう思わず声を出した為に、3人がこちらを向く。


釘崎「響！体調は大丈夫なの？」

『うん、大丈夫。心配ありがと。』

虎杖「良かったぁ…てか美味そうなの食ってんね？」

『ご飯の余りで作った。…と言うか皆ご飯は食べたんじゃ無かったの…？』



私が首を傾げると恵が答える。



伏黒「さっきまで先輩達と手合わせしてた。」

『成程…。じゃああっちの鍋にまだ沢山残ってるからみんなで分けなよ。』



私のその一言に悠仁の目が輝いた。



虎杖「えっマジで？？？ゴチになります！」

釘崎「アンタは遠慮というものを学びなさいよ…」


『良いよ良いよ。ほら、野薔薇も恵も食べな？』


釘崎「…じゃあお言葉に甘えようかしら。」


伏黒「…助かる。」


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