大きな器 ページ34
フシ達が掘った穴のさきには、たおれたオニグマがいた。
矢が刺さり、ぐったりとしていて、動いてマーチ達を襲えるような感じではなかった。
マーチはオニグマに刺さっている大きな矢をぬいてあげた。
抜いてから気づいた。
マーチが今抜いたものが、オニグマの背中にはたくさんついていることに。
「ひょっとして、
これぜんぶささってるの・・・？
かわいそうに、なおしてあげないと・・・」
マーチとフシ達が、オニグマの前に立っていると、近くからハヤセたちの声が聞こえてきた。
「進捗はどうだ？」
「それが誰もオニグマの世話をしたがらなくて」
「ならばあなたがすればいい。
熊の世話の何が一体難しいのか。」
ハヤセはマーチの姿を見つけると、マーチの手を掴んであげさせた。
「ならば熊の世話はこの子にさせましょう。」
「いいんですか。危険ですよ」
「かまいません。
ただの娘が死んだところで問題は無いでしょう」
「犬はどうします？」
「娘の周りにいさせておきましょう。
くれぐれも手出しはしないようにその方がおとなしい。
夜までに部屋の補修を。
床は固めて。監視は扉の前を離れないように。」
マーチは何も言えないままオニグマの世話係を任されてしまった。
それからマーチとフシ、Aは、毎日オニグマのいるところに行った。
フシとAは、周りをぐるぐるしていただけだったが、マーチはオニグマの背中に刺さった大量の矢を抜いては、傷薬を塗っていた。
いっぽうパロナはオニグマを監視できる場所の掃除を任されていた。
「ねぇくまさん。
あなたってわたしといっしょね・・・
マーチもニナンナを出る時はみんなからすごいとか、とくべつだとか、ありがとーおめでとーって言われてたけど。
ただの女の子なのよね。
マーチだけはわかってるわ。
あなたはにんげんのおにくがすきなただのくまさん。
いろいろなひとにさわがれて矢で刺されてさらにこわがられて、、
それで、ほんとうにオニグマさまみたいになっちゃったのよね。
このケガ治ったらあなたはふつうのくまさんよ。
きっと帰れるわ。
かえれる・・・
あ、ごめんね。ふあんにさせちゃって。
ごめんね。よしよし、よしよし。
よしよし」
マーチは"熊"に喋りかけていた。
「ありがとォ」
急に、フシとAが言った。
器は空いた。
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Y - めちゃくちゃ大好きです！続き楽しみにしてます！！ (2022年11月4日 1時) (
レス) @page42 id: 2b8594e28a (このIDを非表示/違反報告)
みたらし（元三日月） - わぁ！最高です！もうあのはい！好きです！私もめちゃくちゃグーグーやリーンが好きなので更新頑張って下さい！ (2022年3月4日 17時) (レス) @page42 id: 122f030fb9 (このIDを非表示/違反報告)
れ(プロフ) - わー！不滅のあなたへの小説の中で1番好きです！(*'ω'*)これからもゆっくりで大丈夫ですので更新楽しみにしています！大好きです！(T_T) (2022年1月6日 2時) (レス) @page42 id: 4a740cc430 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - やよさん» ありがとうございま！！ (2021年10月2日 23時) (レス) id: c53fed3174 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - レネさん» ありがとうございます！！ (2021年10月2日 23時) (レス) id: c53fed3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわり | 作成日時：2021年7月18日 16時
