番外編 ２ ページ22
「ばっかじゃないの？」
私を嘲笑うように口にされた言葉に、乾いた笑い。
壁に手を縫い付けられ身動きのとれない私を、彼は冷たく見下ろした。
「こんな町で声かけられてノコノコついてくるとか、アンタばかなんじゃないの？それとも、俺の顔が気に入った？」
きっと彼はこうやって自分の顔を武器にして生きているのだろう。
恐ろしいくらいに美しい外見はどんな表情だって様になっていて、男女関係なく彼の容姿に文句をつける者はきっといない。
『美しいと思いますよ。』
＿＿＿でも、人間としての美しさは感じませんけど
ギリッと私の手を縛り付ける手に力がはいった。
「ふーん、ちょ〜うざい。アンタ、この状況理解してるわけぇ？」
息がふれあうくらいの距離。
彼の瞳は冷たさの中に、どこか助けを求めている気がした。
『人並みの理解力は持ち合わせているはずなんですけど。』
「はっ、どの口が言ってんだか。
男の家にそんなずぶ濡れで普通入る？何、襲って欲しいわけぇ？」
つうっと彼のもう片方の手が私のラインをなぞる。
私が小さく肩を震わせることを楽しむように、彼はニヤリと口角を上げた。
『…貴方は何をしてるんですか？とても真っ当に生きてるとは思えないんですけど。』
「それをアンタに話したところでどうなるって言うわけ？」
表情が一瞬にして消える。
『さあ。私はここの町の人達全てを救うなんてことは出来ませんし、所詮私も王の道具でしかない。
でももし、貴方が"私に望んでくれるなら"、貴方を助けることくらいは出来ますよ。』
「ふぅん。随分残酷なこと言うねぇ、アンタ。」
『全ての人を救えるくらいの大きな力はありませんから。運命、なんて幻想的な言葉にかたつけて、私の美味しい話にのって見ませんか？』
あまりにも自信満々にそう口にする私に、彼は大きく目を見開いて私に言う。
「んじゃ、試しに俺を解放してよ。あの腐った外道どもから。」
外道ども、彼がそう言う相手は彼の主人であろうか。
『…その［お願い、叶えましょう。］』
音をたててはじける鎖。
これが私と彼の、最悪で最高な運命の出会いだった。
彼との出会いの話＿＿fin
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彩夏(プロフ) - しーちゃんさん» 私の方こそ、素敵な作品をありがとうございました♪ (2017年10月23日 19時) (
レス) id: 9dd45fbded (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 彩夏さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉ありがとうございますヽ(*´∀｀)ノこの作品を最後まで見ていただきありがとうございました！ (2017年10月17日 17時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - とっても良かったです！！思わず泣いちゃいました。夢主ちゃんと泉が結ばれて、幸せに暮らせるように願ってます！ (2017年10月17日 17時) (レス) id: 9dd45fbded (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - つなかんさん» ありがとうございます！この作品の瀬名先輩より少し冷たい感じが書きたかったので書いたのですが、気に入っていただけてよかったです(*^^*) (2017年8月22日 16時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
つなかん(プロフ) - 出会い編感動しちゃいました… (2017年8月22日 1時) (レス) id: b9796cc36c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しーちゃん
| 作成日時：2017年8月20日 9時
