櫻色の君を想ふ 3【ars】 (ページ16)

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ここぞとばかりにアピールしてくる3人を威嚇していると
抱き締めていた翔くんが、急にもぞもぞ動き出した

「どしたの？」

「…はなせぃ」

そう言って一生懸命離れようとするから

マジで愛想つかされたかもと焦るのと同時に
それでも離すという選択肢は無いという想いで

それが伝わる様に
腕の力を強めた。、ら…

ぐぅぅー、と
盛大な音がして

目線を少しだけ下げると
耳を赤くしている翔くん

「……………」

「………朝御飯は？」

「…た、食べたけど最近消化が早いんだよッ」

「何時に？何を？その前に昨日の晩飯は？」

「…忘れたけど食べたッ」

どもってる時点で嘘なの分かるわ

どうせまた深夜遅くまで仕事してそのまま寝落ちて
起きたら時間ギリギリだったからそのまま来たんだろ
食ってたとしてもゼリー飲料でしょ、アノ

忙しいのは分かるし
それが好きなのも分かる

俺も人の事言えない時あるけど
大切な人を心配するのは当たり前
それをうるさいって思われても

…それは、俺だけじゃ無いのも分かってる
この人がさり気なく労わってくれてる事も充分に

「食欲無い？」

「……ちょっと」

「なら、今日終わったら行くから」

「……へ？」

「食べたいの、考えてて」

胃袋はガッチリ掴んでるからさ

少しでも食べやすくて
尚且つ好きなもん、作ってあげますよ

俯いてた顔を上げて
キラキラした笑顔してますがね

「その前に！空きっ腹にコーヒーはダメでしょ」

「～～～ッ！オカンめ！」

「オカンじゃなくても心配するの。大切な恋人なんだから」

「だからッ！言うなってソレッ！」

いいじゃん
3人共知ってるんだし

それにこうして強調しておかないと
隙あらばアピールしてくるんだからアイツらッ

今度は顔真っ赤にして離れようとグイグイ押してくるのを
また強く抱き締める事で押さえ込んで

目の前の3人を睨みつけると

「「「チッ」」」

「聞こえてるぞ」

俺にだけ聞こえる様に舌打ちしやがって

:

:

その後

コンサートMCでの俺らのやり取りを
まぁ上手く拾って、お父さんやらお母さんやら言うから

「…やっぱ世間様から見たら俺、オカンなんだ……」

「しょーくん。俺、翔くんが旦那の亭主関白オールオッケーだよ」

「「俺もー」」

「お前ら黙れマジでッ」

*