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物心ついて少ししてから、俺は施設で育てられてた
ガキの頃からひねくれてて。周りと仲良く、なんてする気は更々無かった
それなのに周りの奴らは構ってこようとする
それが煩わしくて、十になる前に施設から抜け出した
ガキだったから、その日生きるだけで必死
スラムを拠点にスリや空き巣なんかをして、なんとか生きていた
ある日
素質があったのか、拾われて暗殺術を仕込まれた
最初に人を殺したのは十三
テストみたいなもんだった
俺が、この先暗殺者として。殺し屋として生きていけるか
結果としては、呆気なかった
思ったのは
『簡単だな』
って、事
どんなに血を見てもなんとも思わなくて
ただ言われるままに任務を遂行していった
自分の手が血で汚れて、赤を通り越して黒くなっていく
そんな現実から目を逸らして
十五の頃、俺は一人で活動する様になった
その頃から裏の界隈では名が知られていたし、暮らしていくのに不自由が無い程の稼ぎが出来ていた
そんな中、依頼された仕事
ある富豪一家の暗殺
いつも通りにやった
セキュリティを掻い潜って、夫妻の寝室へ
いつも通りの呆気なさに少々辟易しながらも、ナイフを急所に振り下ろそうとした
その時、妻の方が寝返りをうち、顔が見えた
………俺の中の時が数瞬、止まった
見覚えがある
あって当然だ
俺の母親だったんだから
……忘れようとして。実際忘れていた
産まれて暫くして、俺は先に産まれていた兄よりも何においても優れている事が分かった
それは直ぐに『事実』として一部の人間の中で噂となって広がろうとしていた
そんな俺が邪魔だった
この時代、名のある家の跡を継ぐのは長男だ
その後に産まれてくる子供なんて、その代替品
上の兄姉に何かあった時の予備
その予備が、目に見えて本物に優っている
その後に産まれた、俺にとっての弟は
それこそ可もなく不可もなくの、予備
ますます俺は目立ち過ぎて
そして、施設へ追いやられた
元々の跡継ぎが例え死んだとしても、『第一子は何においても勝っていた』という
そんな『事実』を持ち続ける事がステータスという、何とも理解不能な風習の為に
「…皮肉だよな。あんたら、『息子』に殺されるんだからな」
何の思い入れも無く、皆殺しにした
……その帰り道にも、雨が降っていた
これで、
俺は本当に血も涙もない
ただただ言われるがままに依頼された事を遂行する
そんな存在となった
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櫻華(プロフ) - ゆかりさん» ありがとうございます。続きは私自身のペース配分になってしまいますので、御容赦ください。 (2018年9月6日 0時) (
レス) id: 643a141105 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - いい小説ですね続きをお願いします待ってます (2018年9月6日 0時) (レス) id: 8447f08366 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 蒼星さん» 蒼星さん、ありがとうございます！楽しみにして下さり、とても嬉しいです。この様に感想を頂けれるととても嬉しく励みなります。是非お気に入りの子達を見つけて、楽しんで下さい。応援、本当にありがとうございます^^* (2018年9月5日 14時) (レス) id: 5f6dbffbbd (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 新章開設ありがとうございます！いつも楽しく拝読しております。更新通知がくると嬉しくてニヤニヤしながら開けてます。これからもずっと応援しています。 (2018年9月5日 10時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻華
| 作成日時：2018年9月5日 9時
