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潔 side
『はじめまして』
見た目のふわふわとは反して凛とした声で言葉を発した画面の中の女の子。
見惚れていた俺らは彼女の声でハッとした。
『花宮Aといいます。
私のモットーは"凡"なので、よろしくお願いします』
ぺこりと丁寧に頭を下げて挨拶を終えた彼女、もとい花宮さん。
いや、まって?
"凡"がモットー??
たぶん聞いてたみんなが思った。
「「(えっ?その見た目で?????)」」
"凡"がモットーと言う彼女だが、見た目が既に"凡"ではない。"非凡"である。
どこからどう見ても"非凡"。"凡"とは程遠いと思うが、彼女は曇りなき目で"凡"と告げた。
「なんか変わった子だねぇ〜、花ちゃん」
楽しそうに彼女を見て言う蜂楽に、「うん…」と返事をする。てか花ちゃん?!お前話したこともないのにもうあだ名呼びかよツヨスギ((
「ということで、Aちゃんには全部のチームを平等に回ってもらうけどなんか困ったらお願いしてねー」
絵心のまとめでプツッと通信が切れ画面が真っ暗になったプロジェクターを呆然と眺める俺ら。
なんか、いろいろ急でよく分かんないな(汗)
とりあえず飯に行くか、と思い声をあげようとした時、黙っていたイガグリが「ちくしょーーー!!!!!」と悔しそうな声を出した。みんなビクッとした。俺も。
「俺だけが知ってたのに!あの天使のこと!くそぅ!!」
他の奴らに知られるのはえーよ!!!と言いながら床をダンダンと叩くイガグリ。とそれを怪訝な顔で見るお嬢。
「イガグリはあの子のことを話そうとしてたのか」
國神が納得したように言う。イガグリ曰く、練習の休憩中部屋の外に出たとき、たまたま帝襟さんと歩く花宮さんを見かけたらしい。
「後ろ姿しか見えなかったからあんなに天使だとは思ってなかったっ…!!!!尚更知られたくなかった…っ!!!!」
くぅっ!!と悔しがるイガグリにみんなで「いや無理だろ」と冷静にツッコむがみんな内心はワクワクしていると思う。
花宮さんか…
自然と惹かれる雰囲気をもつ彼女。
はやく話してみたい、
なんて考えた。
『えーっと、失礼します』
部屋のドアの開く音と先程の凛とした声が聞こえ、バッと声の方を振り向く。
そこには噂の彼女、花宮Aさんがいた。
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作者名:えだまめこ | 作成日時:2023年1月29日 17時