128話 幸せの在り方 ページ34
あれから数年経って
羅刹の力を使いこなせるようになったシラは、妖怪のみんなから奪った憎悪などをみんなに返した
普通は、憎悪なんて要らないものだと思うだろう。必要のないものだと。その感情が、全てを狂わせることだってあると。
…確かにそうかもしれない
でも、その憎悪も自分だ。
嬉しい気持ち、楽しい気持ち、悲しい気持ち
全て、自分が感じることのできる感情だ。
憎悪や悪意
それ含め自分なのだ。
悪い心も、なくてはならない、必要不可欠な存在なのだ
そして、その感情が全てそろって、初めて、
“私”になる
妖怪1「大将!こんにちは!」
貴「こんにちはー」
シラのお陰で、倒れたみんなが目を覚ました
シラが流し込んだ悪意のなかに、シラの記憶も混じっていたらしい。
その記憶を受けて、みんなが私に対する見方を変えてくれた。…やっと、認めてくれた。
羅刹の元凶となったあの妖怪も、目を覚ました
目を覚ますといきなり、私にひざまづいてきたから驚いた
『今までのご無礼、どうかお許しください。自分が間違っていました。貴女は決して土蜘蛛殿や大ガマ殿に媚びを売るような浅はかな人ではないと…心より反省しております…』
…なんて言って。
正直、こんな敬語使われるとは思ってなかったけど…まぁ、目を覚ましてくれただけよかった
…え?私?
……私は…
??「母上ー!」
??「母さまー!」
快晴の空の下で、幼い二人の男の子の元気な声が響く
二人の男の子は、同時に一ヶ所に目掛けて競争しているかのように走っていた
??「僕が一番だ!」
??「僕が最初についたよ!」
貴「はいはい…二人とも同着!引き分けー」
私は二人の男の子をそっと包み込む。
最愛の、大切な、私たちの子供…
貴「桜ガマも、桜蜘蛛も、元気なのはいいことだけど少しわんぱく過ぎよ!昨日二人とも転んで怪我したばかりなんだから!」
桜ガマ「だって、遊びたいんだもん!」
桜蜘蛛「父上が僕らの仕事は遊ぶことだって言ってたよ?」
大きな瞳を二人同時に私に向ける。
その瞳は父親譲りの、赤と金の瞳
私は、この色がたまらなく好きだ
??「元気にこしたことはないだろう」
??「子供はこうでなくっちゃなぁ」
後ろから、大好きな人の声が聞こえてくる
貴「土蜘蛛、大ガマ!」
二人の姿が見えると桜蜘蛛と桜ガマの目が輝いた
桜蜘蛛「父上!」
桜ガマ「父さま!」
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ!あの…!リクエストのことで…!土蜘蛛と大ガマ!以外でもいいですか?okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…!どうですか? (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました!るーくさんには本当元気もらいました!なにかリクエストあったら言ってください!作品にさせていただくかもしれません! (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2018年1月8日 3時