113話 偽りの紅眼 ページ18
シラside
羅刹の気配を辿り、羅刹はまだ60年前の桜町に居ることがわかった
シラ「……静かだ」
妖怪どころか人間も少ない。…羅刹がこの辺をたむろしているから人間にも羅刹の負のオーラが移ったか…?それとも急に妖怪たちがいなくなった影響…?
シラ「…羅刹が近い」
今までにないくらい強く羅刹の気配を感じとった。…憎悪が元より数十倍と増えている…。
シラ「ぐっ…!気配だけでも気分が悪くなる程の憎悪だ…。羅刹め、いったい何体もの妖怪の憎悪を吸ってきたのだ…」
羅刹の気配は寺を通ったもっと奥にある洞窟のような半円状の門の奥から感じた
シラ「……」
我は迷いなく、その門へ足を踏み入れた
暗い洞窟を抜けた先に一番に目に入ったものは、妙な縁をとった鏡だった
何やら強い妖気が感じる
石崖を降ると、広い草原が見えた。
側には青く光る謎の岩もあった
周りを見ると、まるでここで合戦でもあったかのような物の残骸があちこちに散らばっていた
…だが、その広い草原の空には、黒い渦。
あの禍々しい気配。間違えるはずない
シラ「久方ぶりの再会だな…羅刹よ」
羅刹は大きな渦と化していた。
それはまるで、時空の歪み。全てを呑み込もうとする黒空の穴。
我は…かつてこの災禍の渦の一部だった
シラ「………」
まずい。やはりどうしても懐かしく思えてしまう。
立ちすくんでいると、羅刹の渦の真ん中に目玉が浮き出てきた。紅い紅い、血のような色をした眼が…
シラ「なんだあれは…」
やがてその眼は、変なものを映し出す。
映っていたのは、A。Aが黒い人のような影に身体に入られ、死ぬという光景がその奇妙な眼に映し出されていた
シラ「なんと惨いことを……!」
これは偽りだ。現にAは我の中に入っている。この身体もAのものだ
シラ「…!小蛙……!」
羅刹の偽りの映像を食い入るように見るのは、あの小蛙と蜘蛛だった
蜘蛛はただ絶望したように羅刹の瞳を見つめる。だが小蛙は眼に殺意を宿していた
…今にも飛び掛かりそうな、強い殺意を。
シラ「まずい……!!」
我が小蛙の身の危険を感じ、飛び出したときだった
大ガマ「殺してやる!!」
小蛙が大声を出して羅刹に飛びかかる。
シラ「騙されるなあぁぁあぁあああ!!!」
ビュンッッツツ!!!
我は上空から小蛙と羅刹の間に風の刃を飛ばした。普通の風ゆえ、両者に害はない
大ガマ「っ…!……シラ…」
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ!あの…!リクエストのことで…!土蜘蛛と大ガマ!以外でもいいですか?okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…!どうですか? (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました!るーくさんには本当元気もらいました!なにかリクエストあったら言ってください!作品にさせていただくかもしれません! (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2018年1月8日 3時