愛してる ページ43
『……と、つぜん…過ぎやしない?』
「そう?もうずっと前から好きだったんだよ」
そこはかとなく狂気を感じる言葉と恍惚とした笑みを浮かべる乙骨。
あ、そっか。これ私も答えなきゃだめなやつか。
しかし素直に気持ちを伝えるには少々度胸が足りないわけで、それに里香ちゃんのこともある。
よろしくねって言われたけど二人は婚約者で婚約指輪までしちゃってるしさ?
ほんと、嫌になるよね。
『私も、嫌いじゃない』
そう言って微笑みながら彼の指輪をするりと撫でてそのまま手のひらを持ち上げ、そっと口づけをする。
そうすると先に話を切り出した張本人は顔を真っ赤に染め上げてばっと手で顔を覆った。
『乙骨、どうしたの?』
「…いまは、ちょっと…うん。だめ」
自分よりもよっぽど可愛らしい恥ずかしがり方をする彼を見て、久しぶりというか何と言うか。
もしかしたら人生で初めて心の底から嬉しくて、声を出して笑えた。
くしゃりと、歪む表情筋が痛いけれどそれも悪くない。彼の頭を撫でながら本当に愛おしくて目元も口元もゆるゆるでどうしようもなく感情が抑えられなかった。
『乙骨、私、君のこと愛してるよ』
私の横にいて欲しいし居なくならないで欲しい。
話していて心地いいし優しいし強い。
この人になら、いいかもね。
『だからもし、老衰以外で死ぬとしたら』
『きっとその時は君の手で殺してね』
私の最上級の愛を、死を。
もちろん、私が死ぬ時は君のことも殺してあげる。
死を共にしてくれる相手じゃなきゃ、愛せない。
私の愛。理解してくれますか?
気持ち悪いと思いませんか?
きっとあなたは後悔すると思います。
でももう離してあげません。
「うん、君がそれを、望むなら」
曇りなき眼で、今まで見た中で1番の笑顔で。
彼はふんわりと優しく笑ってくれた。
「だから、」
「僕だけ見ててね、Aちゃん」
もちろん。それが君の、愛ならば。
純愛狂愛何でもいいしはっきりいってどうでもいい。
最後の最後に1人なら、ここで彼と一緒になることは何の意味も持たないから。
1人は寂しいから、だから。
『死ぬまで愛してる』
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甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - しし。さん» はい!発作です!!嬉しがってくれて嬉しいです!(?)更新頑張ってください! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ほ、発作的な何かが起こってらっしゃる.....?好きなんてそんな、とっても嬉しいですありがとうございます!!! (2021年2月9日 6時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひゃぁぁぁ!!!!!!好きです!もうっ!……ああっ!だいすき!! (2021年2月8日 22時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - Arisuさん» うばぁ〜!!嬉しいですありがたや〜。乙骨先輩良いですよね...まじでリアコ製造機。大好きって言って頂きありがとうございます!!!もうしばらくこの作品にご付き合いくださ〜い!!!!! (2021年1月22日 11時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
Arisu(プロフ) - この作品大好きです!私も乙骨くん推しなんですよ!もう作者様様です! (2021年1月22日 7時) (レス) id: 5506a0fa2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しし。 | 作成日時:2021年1月1日 11時