見舞い ページ38
俺が目を覚ましたことを全員に伝えると、全員飛んでやってきた。
まずはアオイさんやカナヲさん、なほさんたちだ。
「Aさん!!」
何故か俺に対して謝っていた。
自分たちが宇髄さんにしっかり言葉を伝えていればあんなことにはならなかったかもしれないとか。
まだ意識が朦朧としているからそれを言われても実感なかったけど、誠意が伝わった。
「A君!大丈夫!?
伊黒さんと一緒にお饅頭買ってきたよ!」
甘露寺さんと伊黒さんが来てくれた。
お饅頭を買ってきてくれて嬉しかったけど、甘露寺さんが俺の心配をずっとしていたことに伊黒さんは腹を立てているようだった。
「え、半月も?」
俺は半月も目を覚まさなかったそうだ。
「心配させんなァ。
悲鳴嶼さんなんて毎日手合わせてたぞォ」
「うむ。目が覚めてよかった……」
「Aさんって身体弱かったんだね」
不死川さん、悲鳴嶼さん、時透君も来てくれていた。
色んな人に見舞いを受けたあとは最後にしのぶさんが来た。
「宇髄さんや炭治郎君、善逸君、伊之助君は上弦との戦いで療養中です」
上弦相手の任務だったんだ。
炭治郎君、善逸君、伊之助君はまだ目が覚めてないみたい。
「お見舞いに行かれるなら、私に許可をとってからです」
「……ん」
「……寝起きだから目が覚めませんか?」
なんだか気分じゃなくて布団を被った。
「カナエに会ったんだ」
「!」
「カナエに押されて暗闇に落ちたのに、目が覚めたらここにいて、生きてた」
「……」
「あのままあそこにいれば死んでたのにな」
「死にたいんですか」
「だって迷惑でしょ」
しのぶさんと目を合わせられないから、ずっと布団に入って背を向けていた。
「毎日毎日、俺のせいで仕事増やしてる。
知ってるよ。
俺が療養してからしのぶさんがあまり寝てないこと。
俺の様子を夜中に何度も見に来てるのに、朝はいつもどおりに笑って過ごしてるから無理してる」
「……」
「治したいけどろくに食事もとれない。
俺のために色々考えて作ってくれてるのに応えられない。
それならいっそのこといなくなったほうが負担は減るよね」
「……さい」
「?」
「それ以上、言わないでください」
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作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年11月29日 15時