煉獄さん ページ27
その訃報を聞いてから竈門炭治郎君らが蝶屋敷に運ばれてきた。
「……」
同じ病室にいたけど一言も話さなかった。
その日は誰一人として言葉を発することはなかった。
光蘭によると、
上弦の参に出くわした煉獄さんは運悪く死んだという。
でも隊士として立派だったみたいだ。
【君、最近顔色が良いな】
【大切なものは手放すでないぞ】
【ぼけっとしてると、俺が胡蝶をいただく!!】
「はっ」
お人好しで嫌な冗談を言う人だった。
でも誰よりも正義感の強い大きな人だな。
「Aさんもどこか怪我をしてるんですか?」
「脇腹の治療です。任務で怪我してしまいました」
「お大事にしてください!」
「ありがとうございます」
「炭治郎助けてぇ!!
伊之助が勝負勝負って追いかけてくるぅ!!」
炭治郎たちは、今日はまぁまぁ口を開いていて俺にも話しかけてくれたけどやっぱり元気がなかった。
煉獄さんの助けになれなかったことが悔しいみたいで毎日筋運動して、よく食べて、よく寝ていた。
アオイさんとの道場でのリハビリが終わった後は病室に戻るだけだったけど、縁側を通ると炭治郎君、善逸君、伊之助君がそれぞれ筋トレをしていたから足を止めた。
「(健康的だなぁ)」
対して俺はこの子達みたいに毎日運動して、柱だっていうのに身体壊して何してんだよ。
こんなんじゃ、柱の意味ないし。
「あれ?Aさん!こんにちは!!」
「あっ、こ、こんにちは」
「よォ病人!!」
「こんにちは。病人はやめろよな……」
「お前がどんな奴かなんざ知らん!」
「伊之助!柱だぞ!失礼なことは言うな」
「そ、そうだぞ!この人だって煉獄さんみたいに強いかもしれないんだから」
「!?……それなら俺と勝負しやがれェェ!!」
柱に反応して俺に殴りかかってきた。
「駄目だ伊之助!!Aさんは……!!」
ガッ!!!
止めようとした頃には遅くて普通に頬を殴られた。
「!?」
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作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年11月29日 15時