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小悪魔 ページ15

甘露寺さんがしのぶさんを呼びに行くと、うっかり寝てしまったみたいだ。

あのタイミングで寝るって違和感あるな。

甘露寺さんは自分の屋敷に帰ったから、俺も朝まで寝るしかないんだけどどうにも眠れない。

とりあえず目を閉じてみた。


「……」


すると、ドアが開いて誰か入ってきた。
寝てるふりをしていると俺の手に触れてきた。


「寝ている振りをするなんて随分タチが悪いですね」


……しのぶさんか。


「寝たんじゃなかったのか」

「もう寝ますよ。
ただ甘露寺さんとの時間を邪魔するのは良くないと思って」


だからすぐいなくなったんだ。


「なんで手触ったの?」

「……寝ているのか確かめるためです」


さっきと違って寝巻きに着替えていたし、髪も下ろしていたから雰囲気が違いすぎる。

可愛い。


「おやすみなさい」


出ていこうとしたから、軽く起き上がって手を掴んだ。


「……」


そのまま引っ張りベッドの上に腰をつかせる。


「なんですか」


暗くて顔はよく見えない。
でもどこにいるのかだけはわかる。


「嫉妬したんじゃないの?
俺が甘露寺さんに惹かれてるって焦ったから」

「!」

「そんなわけないか」

「……ほんとですよ、するわけないじゃないですか」

「ならこの手は何?」



いつの間にか俺の手を握っていた。



「間違えました」

「(何と間違えるんだ)」

「寝ます」

「ここで寝なよ」



離された手を繋ぎ返す。



「俺は構わないけど」



腰に手を回すと殴られるかと思ったのに抵抗されなかった。
もう少し近づいたらどうなるのかと思い後ろから軽く抱きしめてみる。



「私のこと、好きなんですか」



聞かれるとは思っていなかった。

好きって言ったら断られる。
本当はその方がいいけど伝えてしまったら、しのぶさんはカナエに対して申し訳ない気持ちになるはず。



「っ、好きじゃない」



どうくるか。
予想としては、もう近づかないでくれって言われそう。

だから一言付け加えた。



「好きじゃないけど、人の体温が恋しい」


「!」



嘘ではない。
家族がいないから甘えられる人もいない。

しのぶさんだってわかってるはずだ。

だから拒めない。



「たまにでいいからこうさせて」


「……好きにしてください」











____俺は意地の悪い人間だ。

独占欲→←わざと



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作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年11月29日 15時

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