関係ない ページ11
「(感情を制御できないのは未熟者……)」
しのぶさんは日輪刀を鞘にしまい始めた。
「貴方に構っている暇はありません」
いきなり消えたと思ったら木々を伝って禰豆子さんらを追いかけ始めてしまったからすぐに追いかけた。
「しのぶさん!」
「!!(いつの間に……、呼吸の音が聞こえなかった)」
すぐに腕を捕まえて抱き寄せた。
「俺を撒くなんて100年早いね」
どさくさに紛れて抱いたけど、いい匂いがして緊張した。
「離してください。
隊律違反ですよ、ただでは済まされません」
「悪いんだけど、もう少しこのままいさせて」
本気で抱きしめてもしばらくは抵抗しなかった。
「なぁ、他の男にこんなことされても抵抗しないの?」
「!!」
意地悪すぎたかもしれない。
「調子に乗らないでください」
ゴッ!!
「ぐふっ!」
肘が腹に入って少し咳をした。
少し乱暴っぽいところは昔から変わってない。
「貴方ではなくても抵抗しません」
「!」
嘘だ。
嘘なのはわかってたのに、どうしても嫌だった。
「俺が他の女性にこんなことしてたら、どう思う?」
これも意地の悪い質問だと思う。
しのぶさんは表情ひとつ使えず、こう答えた。
「私には関係ありません」
ああ、悔しい。
「……そうだよな」
もう昔のようには戻れないかな。
65人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年11月29日 15時