【A3!】ビジネスカップル【皇天馬】

ビジネス2 ページ4

そして、冒頭に至る。







｢カップルにって、こんな奴と？！｣


｢俺だってごめんだ！俺はお前と違った忙しいんだよ！｣


｢うっせ、私の方が仕事あるし！！｣



私は天馬を睨んでほっぺを抓る。
天馬も私の顔を掴んだ。






｢まぁまぁ二人共、一回落ち着きなさい。

カップルと言ってもだね、『ビジネスカップル』でいいんだ｣




｢ビジネス…｣


｢カップル…？｣





そう言って私達は社長を見つめる。




……。




………。




……つぶらな瞳だなぁ。




そう思いながら私は社長に質問をした。




｢ど、どういうことですか｣


｢言葉の通りさ。仕事でカップルを"演じれば"いい。実際にカップルになるのは嫌だろう？｣


｢嫌です｣
｢もちろん｣



｢ははは。声を揃えて言うくらいだから、その方がいいでしょ。こんな記事を書かれてはもう後には引けないからね。｣




社長はニコニコとしながら私たちの肩をポンッとする。


心の中で嫌だなぁと思いつつも、少し楽しそうだとワクワクしていた。




・


・


・




｢…とは言っても、カップルを演じるってどうすれば｣


｢愛の言葉とかを言い合えばいいんだよ〜。ほら『愛してる…』みたいな｣


｢ええ、コイツに言うんですか｣


｢私だって吐き気するわ！｣





カップルを演じるのは簡単そうで簡単ではない。

いかにもどう自然体でいられるかが重要。




｢じゃあ天馬くん、何かやってみて｣


｢うっ…。わ、分かりました｣





すると天馬は私に近づいて顎をクイッとする。

顎クイとか…ねぇ…？





｢…好きだ。A｣




そう言った天馬はいつもよりイケメンで、綺麗な目に吸い込まれる。






_________っていう訳でもなく。







｢…ぷっ。まじウケる〜！｣





真剣な顔で告白をした天馬を笑わざるを得なかった。





・



・




(『…好きだ。A』ですって！聞きました？社長！おもしろい顔で言ってましたよね！)


(A…。後で覚えとけよ)

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