【A3!】ビジネスカップル【皇天馬】

ビジネス1 ページ3

発端は、まさにこの日だった。






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｢おい、キスの相手しろ｣


｢…はぁ？｣





天馬が珍しく話しかけてきたと思ったら、ろくでも無いことを言い出した。



…まてまてまて。私、タレントだぞ？
まだキスシーン1回もしてないんだぞ？



なのに初キスを天馬に捧げるなんてできないよん。




｢また、なんで私が相手しないといけないわけ？｣


｢相手の役者が嫌いな人だから。｣


｢…なに、その人に似てるってこと私｣


｢悪いか｣






うっわ、有り得ない。


そう思いながら私は路地裏に出る。




｢おい待てよ｣


｢待つわけないじゃん。私は天馬なんかと相手する暇なんてないの｣


｢はぁ？対して仕事ないだろ｣


｢へぇ…。殴られたいのか｣




私は顔を引きつかせながら、天馬に歩み寄る。
｢上等だ｣と言わんばかりに天馬も私に近づいた。


お互い胸倉を掴んで、おでこをくっつける。





｢やんのか、こら｣


｢女のお前が俺に勝てると思ってんのか？｣


｢へぇ、そんなこと言っちゃっていいんだ。昔は喧嘩弱かった癖に｣


｢昔と今は違うだろ｣





しばらくいがみ合っていると、だんだん疲れてきて、胸倉を離した。


ちぇ、今回は引き分けか。




｢今度、ケリをつけるから｣


｢ふん。まぁ、俺が勝つけどな。｣





そんな会話を交わして、私たちはお互い別の場所に移動した。






…写真を撮られていることに気づかずに。

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