《40》 ページ45
まるで時が止まったような感じがした。
至さんは目を見開いて私を見つめる。
私はなんだか目を合わせられなくて、自分の影をひたすら見ていた。
｢あ、えっ、と………｣
｢そこまで気づいてたなら、俺の気持ちにも気づいてほしいな｣
｢…え？｣
『どういう事ですか』と聞こうとした時、至さんは私の手を強く握って早歩きで街を進んでいく。
｢どこにいくんですか？｣
｢………｣
無言で進む至さん。
いつもと雰囲気が違うからか、言葉が詰まりそうだった。
｢あの、至さ___｣
｢ちょっと、喋んないで｣
｢…っ｣
いつもより低い声。
手の力はどんどん増してく。手もそれに比例して少しずつ赤くなっていった。
｢…っ、いたっ……ぃ｣
｢…！ご、ごめん。｣
至さんはパッと私の手を離す。
手は少し赤くなっていて、じんじんと痺れていた。
｢ご、ごめ…｣
｢大丈夫、で、す｣
｢…大丈夫じゃないじゃん。｣
私は手を隠しながら至さんの言葉を避けていく。
至さんはいつもより弱々しい目で私を映していた。
｢大丈夫ですって｣
｢大丈夫じゃないから、
泣いてるんだよね？｣
｢…っ｣
至さんの言葉で、私は泣いているんだと気づく。
頬を触ると濡れていた。
至さんは一つ息を漏らすと、眉を下げた。
｢……今日は帰ろうか。｣
｢…すみません｣
そう言って至さんは車の鍵を取り出して開ける。
私は至さんの車に乗り込み、赤くなった手を優しく握った。
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蒸田。（むしだ）(プロフ) - さかさん» コメントありがとうございます！！語彙力を失うほどそう言ってもらえて嬉しいです！更新頑張ります！ (2017年4月30日 22時) (
レス) id: f91a58f64c (このIDを非表示/違反報告)
さか(プロフ) - 最高です！！A3!の夢小説は初めて読んだのですが、1発で当たりの作品を引いたな！！って思いました笑 ほんとに最高です！至さん推しなので、ほんとにほんとに最高です(語彙力) 更新楽しみにしております！！ (2017年4月30日 21時) (レス) id: 4f77bf1428 (このIDを非表示/違反報告)
蒸田。（むしだ）(プロフ) - 藍さん» コメントありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2017年4月15日 19時) (レス) id: f91a58f64c (このIDを非表示/違反報告)
藍 - とっても面白いです!!!!更新頑張ってください!!応援してます♪ (2017年4月13日 0時) (レス) id: 1c9b5608e2 (このIDを非表示/違反報告)
蒸田。（むしだ）(プロフ) - 奈々さん» d( '-' ) (2017年4月2日 16時) (レス) id: f91a58f64c (このIDを非表示/違反報告)
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