花巻君の好きな人は私ではない。【花巻貴大】

ななわ。 ページ9

△▽





キーンコーンカーンコーン







花巻「春野ー」




次の日、気だるい1時間めの現文が終わった休み時間



ドアの方から名前を呼ばれ、振り返ると花巻がいた




A「なに、どったの？」



花巻「英語辞書、貸して」




A「あのさぁ…いつも言うけどなんであんた３組なのにわざわざ６組まで借りにくんのさ」



花巻「なんとなくだよ」




A「…５組の咲良に借りればいいじゃん」




花巻「はぁ！？無理無理！何言ってんだよお前っ！」




A「お顔赤いですよ花巻ｸﾝ(笑)」




花巻「お前なぁ…//」




咲良の話題になるとすぐ顔が赤くなるのも、毎回



だから、いい加減毎回胸にグサッとくるのやめろ私。







A「ほらよ、」




花巻「ありがとな」




A「…で、昨日はどうだったの？」




自分で自分の首を締めてるのはわかってる。


でも、聞きたいから。




花巻「…別に、普通…」



A「はぁ？なんか進展なかったの？」




花巻「ねーよ！そんなすぐにあったら苦労しないわ！((ドスッ」



A「ちょ！？いったぁ…！女の子にチョップするとかありえないから！」



花巻「え？女子、女子…俺には見当たらないなぁ」




A「この前2組の女子に告白されてたこと、咲良に言っちゃおうかな〜」




花巻「ちょ、ばか！それはない！！」




A「はいはい、チャイム鳴るよ〜」



花巻「ほんとだ、辞書後で返す！じゃあな！」





走って３組まで戻る花巻の背中を見つめた





…私、最低かな




「進展がなかった」って事を聞いて、ホッとしてしまった私は最低だ。



なんで私は好きな人の幸せを願えないのかな。




大きくため息を着いて、席へ戻った

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