花巻君の好きな人は私ではない。【花巻貴大】

さんじゅうよんわ。及川side ページ39

△▽





咲良｢…ねぇ、及川くん｣





秋ちゃんが話しかけてきたのは、１日目の練習が終わり片付けをして体育倉庫にいるときだった。



及川｢なに？どうしたの？｣





いつも笑顔で明るい秋ちゃんだったから

もじもじしてるというか、なんだか不安そうな顔をしている姿に違和感を感じる。




やっぱり可愛いな、この子

ふと思った。


顔はもちろん、スタイルも身長も髪もすべてが女子のお手本って感じ。

これで性格もよくて勉強もできるなんて、そりゃモテるわけだ。




マッキーは、この子が好きなんだよな。


まぁ俺の一番はAだけどね！






そんなことを頭の中で繰り広げていた。が


次の瞬間に秋ちゃんの口から放たれた言葉で、一気に現実に引き戻された。





、







、








咲良｢は、花巻って…Aの事が、好きなの…？｣







、







、








、




及川｢…え？｣






驚いた


とりあえず驚いた


マッキーがAを好きかもって事にじゃなくて

秋ちゃんがそれを言い出したことに驚いた



及川｢…なんで｣




咲良｢え、あ、いや、あのね？なんか、最近花巻がよくAの事をよく見てるなって思って…｣





もう夕方だし、体育倉庫の中は少し薄暗い


薄暗いてもわかる程、秋ちゃんの顔は赤かった。






え？








及川｢…えっと、もしかしてだけどさ｣





咲良｢な、なに？｣






及川｢……まさか、秋ちゃん…マッキーの事好き？｣




咲良｢！！｣






、







、







そう聞くと秋ちゃんは一瞬驚いてから







、








赤い顔をさらに赤くして








、









、









咲良｢…うん…///｣








頷く彼女を目の前にして

頭に浮かんだのはAの顔





なんだ、知らない間に両想いなんじゃん



おめでとう






俺にとってはめちゃくちゃいい話

だって、好きな子の好きな人が晴れて両想いになったんだ。




けど




｢秋瀬ー！｣



咲良｢あ！いまいきまーす！…い、いきなりごめんね及川くん！さっきの秘密にしてね！//｣








、








、









、







けど




泣いてるAを想像したら



胸が痛くなった。

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