花巻君の好きな人は私ではない。【花巻貴大】

じゅうよんわ。及川side ページ17

△▽




及川「…ふぅ〜…//」



伸ばした手を、触れるか触れないかのギリギリのところでとっさに引っ込めて

ワシワシと頭をかきあげる




何してんだ、俺







及川「…あぁ〜！///」




さっきはやばかった。



お風呂あがりのAちゃんが俺のスウェットを着ている姿がめちゃくちゃ可愛くて


絶対顔真っ赤だっただろうな…





まずなんで俺自分の家に好きな子呼んでんの！？


しかも親のいない日に！！馬鹿か俺！！







及川「…はぁ…」




スマホを開き、「岩泉一」をタップする







プルルルルルルル





ガチャ



“どうした？”





及川「岩ちゃん？あのさ〜、いろいろあってAちゃんが今ウチにいるんだけどね」





“はぁ！？てめぇなんもしてねぇだろうな！？”





及川「してない！してないから！！あのね、疲れて寝ちゃったから迎えに来て欲しいんだけど！」





“はぁ？俺ん家なんてすぐ近くじゃねぇか、寝てんだったらそのままそっとしとけよ”






及川「…いや、ちょっと…」




“あん？”






、







、







、







及川「……俺の理性が、持ちそうになくて…//」







ーーー


ｻｧｧｧ…



外に出ると、土砂降りが収まっていて小ぶりになっていた




岩泉「じゃあ、Aの母さんには俺が連絡しといたから」



及川「うん、ありがと岩ちゃん」



岩泉「A、大丈夫だったか？」




及川「…泣いてたよ、ずぶ濡れになりながら」



岩泉「…そうか」





及川「…ねぇ岩ちゃん」



岩泉「あ？」



及川「岩ちゃんは、どっちを応援してくれてんの？」



岩泉「………どっちでもねぇよ。まぁ、正直お前なんかにAを任せるのも心配だが」



及川「酷いな！！」




岩泉「……俺は、Aが幸せであればそれでいいんだ。」




岩ちゃんとAちゃんはいとこ同士で

岩ちゃんは本当にAちゃんを大事に思ってる。





及川「！…まさか岩ちゃんもAちゃんの事が…！？」


岩泉「ちげえよクソ川！！」




わかってる。岩ちゃんは家族として、Aちゃんを愛してることくらい。





及川「…じゃあ、Aちゃんよろしくね」


岩泉「おう、じゃあな」





そう言って岩ちゃんはAちゃんをおぶって夜道を帰っていった。

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