花巻君の好きな人は私ではない。【花巻貴大】

じゅうわ。花巻side ページ13

▽△






昇降口を出ると春野がいて、少し嬉しかった




俺が春野と出会ったのは高１の時。
岩泉のいとこで男バレのマネージャーだった。
最初に見た時、胸が高鳴ったのを覚えてる。



俺が、春野と仲良くなるのに時間はかからなかった。
音楽や漫画の趣味が合って、話すのがとても楽しくて、俺は女子と仲良くするとか、恋愛とかに興味なかったけど、春野は間違いなく特別だった。


好き、だったのかな…？




でも、ドキドキしたりはしなかった。ただそばにいると嬉しい、楽しい。それだけだった。





けど、１年の終わりに偶然聞いてしまった松と春野の会話で俺はどん底に突き落とされた。









春野には、好きなヤツがいたんだ。







それが誰だったのかは未だに知らないが



それから俺は「良い友達」として春野との関係を築いた。









それから少したって、咲良がマネージャーとして入部してきた。



一目惚れだった。





咲良が体育館に入ってきたあの日のことは今でも鮮明に覚えてる。







俺は、咲良が好きだ。







それなのに、









A「…じゃあ、私帰るね((ニコッ」





花巻「え、おい！」






、






あの作り笑顔を見た時のこのモヤモヤはなんだろうか







咲良「Aどうしたの？？」








走り出した春野





俺もよくわからなかった








でも、


花巻「…咲良、ごめん！俺先帰るわ！傘これ使っていいから！じゃあな！」




タッ



咲良「え！？花巻！？」









気がついたら走り出していて、雨に濡れていることも忘れて春野の後を追いかけた。







あいつは多分俺に気を使って先に帰ったのかもしれない。きっとそうだろう。




けど＿＿＿＿








、







、








及川「おい！！」









、









、









、







、





、




花巻「……なんだ…、及川、だったのか…」






俺が春野を見つけた時、同じタイミングで先に帰ったはずの及川が春野に駆け寄った



何を言っているのかは雨の音で聞き取れなかった





雨の中抱き締め合う２人を




反対車線から見つめた

じゅういちわ。→←きゅうわ。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す