花巻君の好きな人は私ではない。【花巻貴大】

きゅうわ。 ページ12

△▽




バシャバシャッ



ローファーが地面に水を打ちつける音

気がついたら私は雨が降る中ずぶ濡れになりながら歩いていた。





すごいじゃん、花巻。

「俺の傘入ってく？」なんて誘えるなんて

すごい進歩じゃんか。すごいね。






でも、





、








、








A「おめでとうは…言えないよな…ｯ」




泣いてるのかな、私

雨で濡れてて、わかんないや。









、









、







バシャバシャッ





「おい！！」








、









、







、









、









A「…なんで…、」









「及川…」









及川「なにしてんだよ！！」






、







ギュッ





A「…お、いかわ…？なんでここに…」








及川「様子が変だったから戻ってきたんだよ！！」






A「……か、わ…」








A「うわぁぁ…、あぁん…！！！」








ーーー







ガチャ



及川「どうぞ」




A「え、ホントに入っていいの…？」




及川「今日親いないし、それにそのままだと風邪ひくよ？」




ずぶ濡れになっていた私はとりあえず近くの及川の家に上がることになった。





A「…おじゃまします…」





及川「はい、タオル。拭いたらそのへん座ってていいよ」




A「…ありがとう」





体を拭いてリビングのイスに座って少し待っていると、及川が戻ってきた




及川「お風呂、使っていいよ。今沸かしたからさ」



A「でも、そんな悪いよ…着替えとかもないし」



及川「だーめ、着替えは俺のスウェットとか貸すからさ。ほら！入ってきて！」






A「…ほんと、ありがと…」



及川「いえいえ！」

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