【短編集】浮世のワルツ【反応集】

もしも妹だったら〈kid〉 ページ10

会話多め

【甲斐田 晴】設定：年の離れた兄妹。妹、高校生くらい。



「A〜、早く起きないと遅刻するよー？」

1階からお兄ちゃんのこえがする。

「ん〜、起きてるよーっ」

嘘だ。今起きた。
割と大きめの声出したし、聞こえてるだろ。

そう思って、時間を確認し、あと30分も寝れるじゃないかと、私は２度寝をかました。



「ちょっと、A！起きなって！いつまで寝てんのさ！」

「ん、今起きるって……なんじ？」

「今は8時過ぎたとこ。今日遊びに行くんてしょ？バス間に合わなくなるよ？」

「は？え、もっと早く起こしてよ！！」

「はぁ？！お兄ちゃんは何度も声掛けましたけどぉ！」

「嘘だ！」

「嘘じゃありません〜！…もぉ、早く支度しな？ホントに遅れるよ。それに、お兄ちゃん送っていかないからね？」

「わかってるって！」


着替えるから出てって！とお兄ちゃんを部屋の外に追い出す。マジで、今日は久しぶりに街で遊ぶ。だからオシャレしたいのに時間がヤバすぎる……。


何とか準備を間に合わせ、朝食は仕方ないので抜いて、「いってきまーす！」と慌ただしく家を出た。
玄関を出る時にはリビングから「いってらっしゃーい」と
お兄ちゃんの声が聞こえた。


〈甲斐田視点〉

お昼過ぎ。
研究に必要な材料を調達するため、皇都に出てきた。
ちょっと材料以外の買い物もしようかな、なんて大型の百貨店に行こうとした、その時、目を疑う光景に出くわした。


「え、A…？……今日友達と遊ぶって言ってたよな？」


道路の向かい側、妹と背が高めな男の人が一緒に歩いていたのを見てしまった。

遠くからでもわかる。
めちゃくちゃ仲良いじゃん！あれ！

え、聞いてないんですけどぉ？！


あ、ああ……、喫茶店入ってっちゃった……。




えぇ、まじぃ？僕、内緒にされてたの？
すっごい悲しいんですけど。



んー……
でも、A楽しそうだったし、幸せならいいのかなぁ…


とりあえず、やっぱり材料の調達だけにてさっさと帰ろ。

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