【短編集】浮世のワルツ【反応集】

視線 ページ45

学パロ・同級生

【甲斐田 晴】

ある日、図書室へ勉強をしに行った貴女。
必要な参考書を本棚から取り、学習スペースへ向かうと、そこには先客がいました。

先客は隣のクラスの甲斐田さん。
貴女はそっと彼の対角の端の席に座ります。

しばらく勉強に集中していると、ふと誰かの視線に貴女は気が付きました。
そして、顔を上げると先客の彼がこちらを見ていました。

「あのー、…隣のクラスのAさんだよね？」

「今なんの勉強してる？もし迷惑でなければ教えて欲しい事があるんだけど…いいかな？」

「いいよ」と返事をすると、「ありがとう！」と彼は嬉しそうにします。

「あ、席遠いし、君の隣座ってもいい？」


【長尾 景】

体育でバスケの授業をしていた貴女。
女子は早めに授業が終わり、友達と男子の授業を見ることになりました。

貴女は友達と会話しながら、何となくプレイが上手いと思ったとあるクラスメイトを目で追っていました。

それは男子では珍しく、長髪を軽くお団子にして纏めている長尾景というクラスメイト。

少しして、彼が相手のオフェンスなどを綺麗に交わして、見事なゴールを決めたのを貴女は目にします。

友達と控えめにですが、「おぉ〜」とパチパチと拍手をして感心していると、彼とバチッと目が合います。

すると、彼はニカッと笑って貴女の方へピースをしてきました。



【弦月 藤士郎】

教室での授業中。
集中力が切れかかってきていた貴女は、
窓の外に視線を向けます。

必然的に斜め前のクラスメイトも目に入り、
「改めて見ると綺麗でかっこいいなぁ」なんて思いながら、そのクラスメイトを見ます。

すると、その視線に気がついたのか相手もこちらをちらっと見てきました。

「(何見てるの、)」

と口パクをされて、はっと我に返る貴女。

「(なんでもないっ)」と口パクで返すと、
クスっと口元に手を添えて、彼は小さく笑います。

そして、その後はお互いに黒板の方へ視線を戻しました。

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