【短編集】浮世のワルツ【反応集】

彼シャツ ページ35

【甲斐田 晴】

夜遅くまで残業をしていて、終電を逃してしまった貴女。
彼にダメ元で「泊めて欲しい」と連絡を取りました。
すぐにOKがでたので、彼の家に行きます。

「遅くまで疲れたでしょ、お風呂沸かしておいたから入っておいで〜」

お言葉に甘えて、貴女はお風呂に入りました。
しばらくして、外から、

「Aちゃん、着替ないでしょ？大きいと思うけど僕の服置いておくから着ていいよ〜」

と声がしました。

お風呂から上がり、近くの棚を見ると先ほど言っていた服が綺麗に畳まれ置いてありました。


「おかえり〜……あー、うん…今日は僕リビングで寝るから、君は僕の部屋で寝て。」

「なんでって……なんでもない！なんでもないけどダメ！」


「ちょ、ダメだって！こっち来ないで！ねぇ！
笑ってないで甲斐田の言うこと聞いてよぉ！！」



【長尾 景】

「くっそ〜、雨酷かったな。でも帰りで助かったわ」

彼と一緒に外に出ていた貴女。
土砂降りの雨が降り、彼と走って帰ってきました。

「体冷えただろ？風邪引く前に風呂入って体温めてきな」

「着替えは脱衣所に置いといてやるから」とお風呂に連れて行かれます。

彼も雨に濡れているので、待たせまいとささっとシャワーを浴びてお風呂を出た貴女。さっき彼が言っていたとおり脱衣所のカウンターには、彼のオーバーサイズのTシャツが置いてありました。


「あー……、ちょっと待ってろ！」

貸してもらった服を着てリビングに行くと、彼は私を見てそう言いどこかへ走っていきました。

「ん！これとこれ、後これも着てろA」

そう言われて、彼からカーディガンやパーカーなどを上着だけを何着も渡されます。
訳が分からず渡された服を抱えて立っていると、彼はまたどこかへ行きました。


「ズボンもなんか持ってくる！」



【弦月 藤士郎】


「も〜、酔ってお酒こぼして濡れるとか、子供ですか？」

愚痴を言いながら、
濡れた服を酔った貴女から脱がしてくれる彼。

「ついでにうちでお風呂入りな。沸くまでこれ着て待ってて」

「はい、ばんざーい」と言われ、手をあげると上から彼のシャツを着させられます。

「濡れた服はこっちで洗濯しちゃうね、」


ふわふわしたままつっ立っていると、ソファに連れていかれて、水が入ったコップを渡されます。

「あと、お風呂入るまでに水飲んで少し酔い覚ましな」

「あー！待って！コップ持ったまま寝ようとしないで！」


「わわ！零れちゃうって！」

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