ジャスミンの香り。 ページ22
「上がりましたー!あと、洗面台の一区画は占領させていただきました!」
「別にかまいませんよ?……」
パソコンから私へと視線を変えた黎斗さんの動きが止まった。
「どうかしましたか?」
「いえ、何でもありません。開発中ですので…」
再び視線をパソコンに戻した黎斗さん。
開発中は邪魔しちゃダメだからな…
「A!このゲームやろうぜ!」
パラドに差し出されたゲームを手に取り、ハンモックに隣り合わせに座ると、思ったよりかなり近い。
ネガティブ思考が勝った私にこわいものはない。
さっさと始めようとゲームを起動しようとしたら、パラドの顔が近付いた。
「何?」
まさか、風呂上がりに臭いとか言わないよね?!臭かったらそれは私自身の消えない体臭…うわっ。ショック。
「なんか良い香りがする。」
首元に鼻が着くんじゃないかというくらい近くで匂いを嗅がれた。
「あぁ。ボディークリームかな?冬は乾燥するから多目に塗るんだよね〜」
「この匂いいいな。」
肩を掴まれたまま首の匂いを嗅いでくるパラドに、どうすればいいのか分からず戸惑う。
「パラド。Aさんが困っているからやめろ。」
黎斗さんがこちらを睨んで、パラドを一喝すると、パラドはやっと顔を上げた。
「ゲンムも嗅いでみればわかるって!良い匂いだぜ?」
いやいや、何誘ってんのさ。
そんなことに黎斗さんがのるわけ…
「へぇ。それでは…」
のったぁぁ!!!
まさかの事件ですよ。
開発中じゃなかったんですか?!
立ち上がった黎斗さんは、私の目の前まで来ると、そのまま私の首元へと顔を近付けた。
「ジャスミン…ですか?」
「は…はい。好きなんですよ。ジャスミンの香り。」
「私も好きです。」
視線を合わせるようにする黎斗さんは、顔が近い。
ジャスミンの香りが好きだと、言っている。
でも、そこだけを切り抜いて聞いてしまって、顔が熱くなった。
「あっ…う…良いですよね!ジャスミン!」
慌てて返事をすると、ニコリと笑う黎斗さんは、パラドに一声かけて開発に戻った。
「ゲームしよっか。」
「あぁ。そうだな!」
再び2人でゲームを始める。
監視するかのように、黎斗さんがこちらに視線を向けているなんて、知りもせずに。
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ぽんた(プロフ) - 1日で一気見しました!!このお話本当に好きなのでとても続きが気になります!!お忙しいのかと思いますが更新再開まで楽しみに待っています! (2022年8月1日 10時) (レス) @page29 id: 45453c7a9e (このIDを非表示/違反報告)
れ - はじめまして!九条推しなので復活するかどうかが気になるところです〜 (2018年1月2日 22時) (レス) id: d1132cf304 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - ゆうみんさん» コメントありがとうございます!!どうなっていくんでしょうか!?私にもわかりません(笑)見切り発車で書き始めてしまったので、気分次第で内容変わってます(笑) (2017年11月10日 22時) (レス) id: 382cc0fa79 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 夏みかんさん» ハーレムいいですよね!誰落ちかも考えてないですが(笑)当分は黎斗さんと絡みます。(笑) (2017年11月10日 22時) (レス) id: 382cc0fa79 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああめちゃ気になるエムやパンドラ達は彼女ちゃんはどうなる楽しみです (2017年11月8日 8時) (レス) id: 307c709a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:m | 作成日時:2017年10月12日 12時