目覚める。 ページ38
目を覚ましたら、そこは見覚えのある白い病室でした。
周りの機材をみてみる。
「聖都大学附属病院…だよね?」
上半身を起こしてみると、腕に点滴がついていて、あまり動けそうもなく仕方なく体を伸ばして外をみてみるが、残念ながら薄手のカーテンがあり確認することは出来なかった。
そこそこ良いクラスの個室であることには違いない。
入院費、どうしよう…なんてバカな考えばかりが浮かぶ。
ユラユラと動くカーテンをみつめながら思い出す。
「なんで黎斗さんはあんなことをしたんだろう。」
私という存在を知っていたはずなのに、何故知らない振りをしていたの?
どうして、私は記憶をなくしてしまったのだろう。
最後の記憶は黎斗さんと話していたとこまで。
そこも曖昧で、どんな会話をしたのかがわからない。
記憶がなくなる前後の記憶がぼやけているようだ。
ただ、そこを除く記憶がなくなる前、なくなった後の生活の記憶はハッキリとある。
「…Aちゃん?!」
誰かが入ってきた事に気付かないくらい必死に色々考えていたようだ。
声の方へ顔をむけると、そこには泣きそうな顔の永夢。
「あっ…永夢。おはよう。」
いつものように挨拶をすると、泣きそうな顔をさらに歪ませて走って私に抱き付いた。
「どーしたの?」
肩を震わせて泣く永夢の背中を撫でる。
「心配した…」
絞り出すかのように、かすれた永夢の声が耳元を擽る。
「ごめんね?」
私もただ、一言あやまった。
こんなにも傷付けてしまったのか。
震える永夢の背中を、ただただ撫で続けた。
・
「どこにいっていたんだ。」
「飛彩先生が怖くて思い出せないです。」
「ほぉ、頭に強い刺激を与えて思い出させてやろうか?」
威圧的な飛彩先生怖い。
「もぉー!!あんまりAちゃんいじめないで!!」
「ポッピー♡ポッピー好き♡飛彩先生嫌い。」
ギロッと睨まれ、そっとポッピーの後ろに隠れた。
「ブレイブだって必死にお前のこと探してたんだぞ?少しくらい話してやればいいんじゃねーの?」
「ってか、なんで大我がここにいるの?」
「エグゼイドに呼ばれて仕方なく…」
視線を離してそう言う大我。
おちゃらけてみたものの、みんなが凄く私を心配してくれたのは嫌なほど伝わってくる。
「みんな、心配かけてごめんね?ちょっと記憶無くしてたみたいで帰ってくるの遅くなっちゃった(笑)」
へらっと笑った。
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m(プロフ) - Mさん» これから少しずつ増える予定です!今は、社長や大我多めですが…一応、全員と絡ませるつもりではありますのでお待ちください! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 382cc0fa79 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 永夢ー!....に会いたいですー!永夢との絡み多くお願いします! (2017年10月8日 0時) (レス) id: 7d414107ba (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - Mさん» コメントありがとうございます!エグゼイドロスは抜けませんよね…また、面白いと言っていただけるように頑張ります! (2017年10月7日 9時) (レス) id: 382cc0fa79 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 頑張ってください!この話面白いし、エグゼイドロス何で私 (笑)永夢ーー! (2017年10月7日 2時) (レス) id: 7d414107ba (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - YUMEさん» ありがとうございます!レス遅くなりすみません!続き、頑張ります! (2017年9月24日 23時) (レス) id: 382cc0fa79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:m | 作成日時:2017年9月12日 1時