動物達と少女【ゴールデンカムイ】 (ページ42)

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貴方side

貴『そろそろ引越し時か…』

私は1ヶ月半に１回、あちこちに家を移している

理由は特にない、旅が楽しくなってるのだから

貴『あの時のペンダント…これは持ってくか』

家のものを最小限に持っていき、小さな荷車を作りそこに荷物を置く

貴『またね、エノノカ…また会おうねｯ…』

エノ「A！！絶っ対、絶対に！私達のこと忘れないで！」

貴『うん…うんｯ！絶対忘れない…！』

エノノカたちのことは忘れないけど、また会えるかは分からない…

実は、ここ数日心臓が痛む

多分何かの病気にかかってしまったかもしれない。だけどみんなには悟られないよう隠していたけど

貴『戦死じゃなくて、病死になるのか…』

なんだか、情けないような

貴『あ、あの人…戦場で会った人』

私が服を脱がせたあのロシア軍人だ、何故あそこに？

私は思い切り持っていたペンダントと投げ、ロシア軍人に返す

そしてあの場所から随分歩いた、いっぱい歩いたせいで心臓の痛みは増すばかり。近くの洞穴で身を休めることにした

すごく眠気がするので地面に葉っぱを敷いて横に寝っ転がった私は、もう立ち上がることは無いだろう…

ドクン、ドクン、

ゆっくりと脈は静かに、だけど大きな音で流れてきて、死期を感じさせてくる

貴『！！…前、世……の…記…億』

やはり死ぬのだろうか、前世の記憶が走馬灯となって脳裏に映し出される

そして思い出した

"ここは漫画の世界だ…"と

私は、夢が叶ったんだ。ゴールデンカムイの世界に来たかった。推しという人とおしゃべりしたかっただけだ。それが小さな夢だった

でも今の私の夢は…

両親に会いたい

友達に会いたい

貴『前の…世界に…戻…り、たい…！！』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

、

そして私はいつの間にか死んでいた…

夢は叶わず…………ただただくらい洞穴で…

"少女"は息をするのをやめた…