動物達と少女【ゴールデンカムイ】 (ページ41)

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91 死んでたまるかページ41

貴方side

貴『ぐｯ゛！、あ゛あ゛ｯ゛！！』

ここで死ねるかよｯ！！

貴『私はｯ！！唯一のｯ！！！』

私は思いっきり息を吸い、そして言葉を吐いた

貴『女性兵士だーーーーーーｯ！！！』

全世界の女の指導者になるために、男のように育て上げられたんだから撃たれたぐらいですぐ死んでたまるかｯ！！

なんとか振り切ることができた私は、足が動かなくなるまで故郷へと走り続けた

貴『母さんｯ…お母さんｯｯ！！』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

溢れ出る涙は痛みと悲しみと"懐かしさ"で次々と出てくる

母「！A、あんた…帰ってきたの？」

お母さんは私を確かめるかのように頬を撫で、目には涙をためていた

貴『帰ってきました母さん…ですが除隊せずに帰ってきてしまいました。私は脱走兵扱いで捕まり、じきに殺されてしまうでしょう』

母「そう…A、逃げなさい。そしてここには二度と帰らないで。帰ってももう私はいないから」

貴『でも…』

母「大丈夫、誰か探してきたら上手く言っておくわよ。安心して、母さんは何があってもAの味方よ…愛してるわ」

貴『私も…愛してる、絶対お母さんのこと忘れないｯ！！今までありがとうｯ！！』ｽﾞﾋﾟｯ

ポロポロと流れていた涙は、戦時の兵器のようにドバっと流れてきた

私は走った、走って走って…

婚約者の家にも行ったが、他の女が居座っていた

私はすぐその場を離れる

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エノ「A、あそこにいる」

貴『ジャコウジカだ、香水として売っぱらおうかな』

1か月前に私は北海道の樺太アイヌの村に住み込みで働いている

この子はエノノカという小さな女の子、しっかりとしている子でいつもそばにいて可愛い

エノ「凄い！マキリを投げて仕留めるなんて…！」

貴『昔から刃物の使いは慣れてるからね』

私は麝香の部分を切り取り、ポケットにしまう

そして近くの町に1人で行って、麝香を男に売る

貴『5円だよ』

男「姉ちゃん、3円じゃダメかい？」

貴『うちも苦しい生活なんだよ…4円なら許す』

男「負けてはくれるんだな。ありがとう、また買いに来るよ」

麝香を売ったあとはフレップワインを飲みに行く、これがいつもの日常だ

おねえさん「ここに毎日来てるけど、そんなに好きなのかい？」

貴『ワインが毎日の楽しみですから』

干し柿もたまには食べるけどね