１２６ 日清戦争 ページ26
二「1895年...その年は日清戦争が起きた年だ」
『わっちょ、覗かないでくださいよ！』
理解が追いついていない頭は、いつの間にか後ろにいたニヘイさんによって意識が戻る。すぐさま向き合い、手紙を隠すように腹に付けた
とは言っても裏にも文が書かれている上に、内容も普通に見られているから隠す必要はないのだが
二「その手紙、インクで書かれてねぇな。あぶり出しか？」
『なんですか、あぶり出しって...？』
話を聞くと、どうやら果物の汁や特定の調味料を水で薄めた物で文字を書いて火で炙ると、水分は蒸発するが紙に残った物が焦げて文字が浮かび上がるんだとか
確かに、前々から手紙が甘い香りを発しているとは思っていたけど...
試しに嗅いでみれば、やはり甘い。これは...砂糖？
『砂糖って...普通そんな高価な物を使ってまでこんな手紙書く？てか故郷の土で眠ってるって何？？死んでるってこと？？！』
二「おい、ちょっと落ち着いたらどうだ」
『落ち着けるわけ無いじゃん！！もうすぐ戦争なのに父に会うために居場所だった第七師団を抜けて、その連中からやっと逃げ切れたっていうのに...大切な人にもう一度会えると思ってたのにｯｯｯ！...もうｯ、どうすりゃいいんだよｯ』
熱くなった体温を冷ますように雪の上でうずくまって頭を抱える
上手くいくと思ってたのに、今までの行為すべてが無駄だったんだ
ぜんぶ自業自得という事実に、どこにも向けられない怒りが身体中を駆け回る。そしてこれから自分はどうしていけばいいのか、目的もないまま彷徨っていきていくのか...
もういっそのこと、第七師団に戻ってしまおうか
...ダメだ。今更戻ったって、みんなからの扱いがもっと酷くなるのはわかってる
尾形がさっき言っていた。手紙を燃やさなければ鶴見中尉に転がされたままだ、と
今回の出来事がたまたまだとしても、もしもこの手紙を燃やさなかったら、
私の故郷の神奈川へ...
『...家へ帰れってこと？』
そうだったとしても、口頭で言えば命令だから普通に帰るのに
分からない。あの人は一体何なにがしたいのか
寝てしまえば気持ちも落ち着くだろう。そう思いながら、私の背嚢を燃やした元凶の焚き火の近くで再び寝転がった
背嚢のように、寝ている間に私を燃やしてくれないかと、少しの願望を抱きながら目を閉じた
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☆夢腐女子☆(プロフ) - 見守るセミさん» 長くなってしまったお話ですがたくさん読んでいただいて、そしてコメントありがとうございますっっ。新しい話の更新までもうしばらくお待ちください。ﾝﾌﾌﾌﾌ (3月26日 0時) (
レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
見守るセミ - え待って尊い。1日で読んでしもた。あ、どうも名乗り遅れました、見守るセミです。腐も夢も大好物です。推しは、杉元ニシパ、尾形ニシパ、月島ニシパ、宇佐美ニシパでござんす。無理せず楽しんで作成して下さい、更新お待ちしております。ｱﾋｬﾋｬﾋｬﾋｬ (3月25日 23時) (レス) @page24 id: d5e2d1caf3 (このIDを非表示/違反報告)
☆夢腐女子☆(プロフ) - まめさん» コメントありがとうございますっっ。気に入って頂けてすごく嬉しいです！ (3月24日 23時) (レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 更新待ってます！ (3月24日 11時) (レス) id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 一気読みしたものです。マジで設定が好きすぎる＼(^o^)／ (3月24日 11時) (レス) id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆夢腐女子☆ | 作成日時：2024年1月3日 0時
