８８ 飛ぶ ページ38
『待って落ち着いて！どーどー！！』
馬を優しく撫でながら手綱を後ろへ引く。何度も止まるように話しかけるが、相手は馬だ。話が通じる相手じゃない
月「示柴少尉ｯｯ！！」
尾「Aッ」
後ろから叫ぶ声がして振り返ると、月島軍曹と尾形上等兵が追いかけてきていた
だがそれを感じ取ったのか知らないが、私が乗っている馬が後ろも向かずに2人から逃げるように速度をあげた
2人がそこまで近づけば、この馬も負けじと速度を上げる。距離が空いたら元の速さで走っている。もしや、体力を無駄に使わないよう調整してる...？
そのうえ、一定の速さを保ちながら街にいる人たちを上手に避けて進んでいる
この馬...できるｯ......！！
『こうなったら...！！』ﾌｧｻｯ
軍服を脱いで馬の顔に掛けた。よし、これで速度が落ちるはず.......ってなんか蛇行しだしたんですけど？！
速度は落ちたものの、今度は不規則に前後左右に動き始めた
『まっ、ちょ、は、吐くって...うっ、』
さっきの朝ごはんが腹の中で暴れ回り、胃から脱出しようと試みている
そんなのお構い無しに、私の下にいる馬は一向に止まろうとしない
尾「降りろA！！」
近くで声がしたと思ったら、少し離れたところから馬に乗った尾形上等兵がいた
『尾形ッ』
尾「こっちだｯ、俺が掴んでやるからそこから飛べ」
私は尾形上等兵の言葉を信じ、手網を離して彼の方へ飛んだ
彼の胸の中に飛び込むと、馬から落ちないよう離さんとばかりに力強く抱きしめられる
ゆっくりと速度を下げていき、止まってから2人で馬を降りる
そして少し奥の方に行ってしまった大きい馬も、それに合わせて止まった。どうして暴れたんだろう...
『はぁ...あ、ありがとうございます。ほんと助かりました』
私は尾形上等兵から離れようとしたが、力が強くて離してくれない
『...尾形上等兵？聞こえてますか？うっ、』
途端、尾形上等兵が自らの腕を、私の腹に絡めて力いっぱいに絞め始めた
尾「...」
『え、なになに怖いんですけど、』
無言あんど真顔で私の腹を絞める行為に恐怖を感じる。さすがにこんなことされれば苦しいので頑張って腕を解こうとした
だが、男性な上に鍛え上げられた腕を動かすことも出来ず、無駄に体力を消耗しただけだった
尾「なぁ、さっきから吐きそうなんだろ。出しちまえよ」
急に喋り始めたと思えばそんなことを言われた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆夢腐女子☆(プロフ) - 金カム大好きさん» コメントありがとうございます！続編の方はお話をもう少し追加したら一般公開にしようと思っています汗もうしばらくお待ちくださいませm(_ _)m (1月3日 20時) (
レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
金カム大好き - 読むのがとても楽しみです！！どんな展開になるのかとドキドキしてます！失礼ですが続編を見たいんですがパスワードが分からなくて読めないんです。大変恐縮ですがパスワードを教えて貰ってもよろしいですか？ (1月3日 18時) (レス) id: 2c45cd5820 (このIDを非表示/違反報告)
☆夢腐女子☆(プロフ) - 山本ル腐るさん» どんな展開にしようか...私もドキドキしてます(*´艸`) (1月2日 9時) (レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
☆夢腐女子☆(プロフ) - かささん» コメントありがとうございます！！お話をもっと面白くできるよう頑張りますっ(*´ `*) (1月2日 9時) (レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
かさ - 毎日楽しみにさせてもらっています！！！これからも頑張ってください！ (1月2日 1時) (レス) @page47 id: c83b847a2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：☆夢腐女子☆ | 作成日時：2023年8月7日 8時
