８２ 父上 ページ32
『えっ...私の昔のことが知りたい、と？』
誰も予想しなかったであろう程の猛吹雪の日。風は犬が唸るような音を出し、窓や柱が軽く怒鳴っている
鶴「ウン。君がココに入る前から知り合いだったとはいえ、その前の話が知りたいんだ。例えば...
小さな頃や君の両親のことをね」
この部屋には向かい合って椅子に座る私と鶴見中尉殿、そして近くの囲炉裏を囲って寒さを凌ぐ部下達がいる
昔の話...あまり面白い話はできない上に、話を聞くであろう人の数が多い。1体1ならまだしも...
今度にしましょう。その言葉が出る前に、中尉殿の目を見た途端に喉元で何かが突っかえる
冷たく、有無を言わせない目。私はそんな目に耐えられるわけもなく、「はい」と同意する他なかった。
...鶴見中尉殿はこんな目をするお方だったっけ
『...しかし、どうして今更聞きたいんです？それに両親の話なら鶴見中尉殿の方が知っているかと』
実は、私の父は鶴見中尉殿が入る前から第七師団に居たと聞いた。そして中尉殿とも仲が良く、週に一度2人で酒を嗜んでいたそうな
そこまで仲が良いなら、中尉殿からすれば私の話なんてちっぽけなものばかりに聞こえてしまうだろう
鶴「私でも彼の知らない部分はあるよ。君から見た示柴閣下を純粋に聞きたいんだ」
さっきとは打って変わって穏やかな目で言われ、私は父との思い出を絞り出した
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父が家に帰ることは少なかったが、会う時はいつも大きな体で小さかった私を笑顔で抱き上げてくれる優しい父だった
幸せな顔が絶えなかった父。母が日本人ではないと村の人に知られた日も、父の人柄と信頼のおかげで偏見を持たれずに過ごすことができた
そんな父はときどき私を師団に連れて行ってくれる時もあった。小さかった私は偉い人の区別も分からずヤンチャをしていたことが多々あったそうな
それを聞いた母に礼儀をしごかれる時もあったけど...だがそのおかげで今は常識も知識も役に立って何とかやっていけている
...しかし、父も日本の軍人。戦争にも当然行くわけで、その度に母は寝込むことも増えてしまった
戦争から帰っていく度、体の四肢の一部が欠けていたり、火傷を負って大きな傷を残して帰ってきた
日本で1番戦争を経験した人。そして、幸運で勇敢な男だと賞賛されていたらしい
そんな父は、私が学校に通い慣れた頃
戦争に行ったきり、帰ってくることはなかった
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☆夢腐女子☆(プロフ) - 金カム大好きさん» コメントありがとうございます！続編の方はお話をもう少し追加したら一般公開にしようと思っています汗もうしばらくお待ちくださいませm(_ _)m (1月3日 20時) (
レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
金カム大好き - 読むのがとても楽しみです！！どんな展開になるのかとドキドキしてます！失礼ですが続編を見たいんですがパスワードが分からなくて読めないんです。大変恐縮ですがパスワードを教えて貰ってもよろしいですか？ (1月3日 18時) (レス) id: 2c45cd5820 (このIDを非表示/違反報告)
☆夢腐女子☆(プロフ) - 山本ル腐るさん» どんな展開にしようか...私もドキドキしてます(*´艸`) (1月2日 9時) (レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
☆夢腐女子☆(プロフ) - かささん» コメントありがとうございます！！お話をもっと面白くできるよう頑張りますっ(*´ `*) (1月2日 9時) (レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
かさ - 毎日楽しみにさせてもらっています！！！これからも頑張ってください！ (1月2日 1時) (レス) @page47 id: c83b847a2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆夢腐女子☆ | 作成日時：2023年8月7日 8時
