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翔「俺さ、弁護士もう辞めなきゃいけないんだよね」
「……え？」
話が唐突すぎて、私は驚いた。
翔「うちの会社継がなきゃいけないの」
「そんな…せっかく夢叶ったのに…」
翔「そう言ってくれんのはAだけだよ。みんな、会社継いだほうが楽だし儲かるって。テレビとか週刊誌で叩かれたりしないって」
「翔くんが金儲けのために弁護士してるわけじゃないって、みんなわかんないのかな」
翔「でもまあ、仕方ないよね。親父の反対押し切って弁護士なったわけだし、けっこう自分のやりたいことやったから。これ以上親父に迷惑かけたくないんだよね」
「それでも翔くんは弁護士続けたいんでしょ？」
翔「そうだけど…」
「私は翔くんに弁護士続けてほしい」
翔「A……」
「ん？」
翔「……ありがと」
隣を振り返ったら、翔くんが照れ臭そうに笑っていた。
好きだな、翔くんのこういうところ。
やばい、顔が熱い。
何照れてるんだ、私。
「あ、何か食べる？てか夜ごはん食べた？」
翔「ううん、まだ。仕事終わって荷物置いてすぐ来たから」
「何か作ろっか？」
翔「え、A、料理とかするんだね」
「するよ！一人暮らしだし」
翔「イメージできないわー」
「…まあ、料理得意ってわけじゃないけど」
翔「へぇ。じゃあオムライスとか作れる？」
「オムライスぐらいなら」
翔「食べたい」
「わかった。ちょっと待っててね」
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作者名：はつる | 作成日時：2017年1月6日 23時
