無気力なメカクシ団No.13の少女は烏野高校３年生なのです← if 【ハイキュー!!】【カゲプロ】 (ページ32)

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第７０話ページ32

「ｯ‼……どう、して……？
どうしてっ！！？ねーちゃん！！！」

触れることで可視化された桃色の壁。
ﾀﾞﾝﾀﾞﾝ壁を叩く夏也を入れまいと叩かれる度にﾌﾞｩﾝ…と音がなる。

『願いを叶えようともがく蛇達の自我を石に収束させても、
完璧に抑え込むのは難しい。
１つにできるのは女王(メデューサ)だけ。
それも、それを生命体に取り込ませるんだからね。

でも白の蛇の力は強力だよ。
黒の蛇をコントロールできるんだから』

「そうだよ……。だから、白の蛇を持つ俺も(・・・・・・・・)負担するんでしょ？
世界の上書きも、操作も、2人でやろうって……
2人でならできるって！
言っただろ！ねーちゃん！！」

力強く叫んだ夏也。
涙を溜めた目が揺らいでいる。

『そう……。
確かにそうだよ。
現に僕の体に全てを容れたら、僕は壊れてしまうだろうから。

その為の措置。

でもね夏也。
僕が、僕だけが壊れるだけならなんのデメリットもないんだ。

もともと君には参加してほしくなかった。
だって君は……僕のたった1人の弟だもの』

『それから……ありがとう、スガ。
君がいる生活って、なんだかんだ面白かったよ。

初めて話したのっていつだっけ？
……あぁ、そうだ。
君が誘ってくれたんだよね、マネージャー。

先輩がいて、大地にスガや旭、清子に縁下、成田、木下、田中、西谷……
それから日向、影山、月島、山口。

みんなと一緒の空間は毎日がドキドキして、
わくわくして。
今思えば前の僕じゃありえないくらい楽しんでた。

でもね、君がいないときって、なんだかつまらないんだ。
楽しいはずのことも、全部。
…………なんだろうね、コレ？』

瞬間、体を熱い何かが駆け巡った。
もう、何も考えてなかった。

「ｯ‼
俺はっ！Aが好きだ！！」

気づけばそう、叫んでいた。