無気力なメカクシ団No.13の少女は烏野高校３年生なのです← if 【ハイキュー!!】【カゲプロ】 (ページ15)

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第５４話ページ15

キドside

『おやおや……知らなかったのかぃ？我が主のコト』

歪んだ笑み。
全身が小さく震える。

知らない？
俺は……Aを知らない？

いや、知ってる。
あいつと長く一緒だったんだ、知ってる！
あいつのことは……

『本当にそーお？』

！！

『知ったかぶりはいけないなぁ～。
キミ、本当は知らないんでしょ？何も、分からないデショ？』

頭に直接話すみたいだ……！
揺れる、ゆれる。

頭が痛い。

『さーぁ、眠りなさい。"黒の蛇"……【隠す】。
キミに住み着く蛇の様に……誰もいない、誰からも見えない！虚無の空間へ……」

沈む。

ぐらり、と。沈んでいく。

俺は……私は……………あいつを知らなかった？
何もわかっていなかった？

あぁ……ごめん。A。

____________

シンタローside

キドが倒れた。
目を閉じて。力なく。

「キドっ！キドっ！！起きてよキドっ！」

マリーやモモがキドに駆け寄って必死に揺する。
それでもﾋﾟｸﾘとも動かない。

「キドに何をした」

鋭く睨見つけるカノ。
【写す】はそれに揺らぐこともなく、ﾆｨと笑う。

『諭しただけさぁ～。高潔で気高い"白の蛇"の前に、野蛮な"黒の蛇"はイラナイ』

「なにぃ……！」

『どーして、"黒の蛇"と"白の蛇"……２つが別れるか知っているかい？』

『"黒の蛇"は一度消えた命の代わりに吹き込まれる代わりの命。
皆一概に女王に仕え、破滅を繰り返す。

"白の蛇"は内なる思いを糧にする。
思いに沿った目的により力を発揮し、より使用者を喰らう。

この時喰らうのは使用者の幸せ、楽しい嬉しいオモイデ。

そして力の代償として、目的が成され、新たな目的が生まれぬ限り、
使用者はその命をもって力を神に返すのさ』

『破滅を繰り返す野蛮な"黒の蛇"。
目的の為に命をとす高潔な"白の蛇"。

素晴らしいだろう！？費やされた思い、記憶、命っ！！
美しいものさ！

あぁ……楽しみだよ。
我が主は一体、どんな最期を迎えるのか……』

狂ってやがる。