:-O ページ6
「確かにこのてのものは最近見ませんね」
『うん』
ただ返事を返しただけの私に、一織くんは追及しないでくれた。
大した理由じゃないからいいかなって思ったけど、また隠し事をしているように感じられただろうか。
『……相談、乗ってくれるかな』
「いいですよ。さっきも言いましたが、貴女が抱え込むと大抵面倒事が起こるんです。
……もっと頼ってください」
『はい………』
それでいいんです、とばかりにひとつ息を吐いた一織くんは寮に戻ったら部屋に来てください、と言った。
別に今でも……と思ったのが見透かされたみたいだ。理由を話してくれた。
「ほいほい話せることなら四葉さんにも話しているでしょう。さっきそうしなかったのは、それができないからじゃないんですか？」
『……おっしゃる通りです』
「さっさと買い物を終わらせましょう。
……と、これで全部ですね。四葉さんにお菓子をカゴに入れられる前にお会計行きますよ」
『じゃあ、環くん探してくるよ』
「お願いします」
レジ前で別れてお菓子売り場で環くんを回収後、スーパーを出る。
待っていた一織くんが罰ゲームだと言って環くんに袋を渡す。
3袋の買い物袋は重い順に環くん、一織くん、私の順で分担して、帰路に着く。
男装していたときからだったけど、そんなに頼りなく見えるかな。
「しーくんはひょろくて折れそうだから俺持つ」って環くんに言われたっけ。
……もしかして女の子扱い、とか。
それはないか。
寮に戻ると姉さんと三月さんが出迎えた。
お帰りを笑顔で告げる姉さんは今日も天使です。八乙女さんはいい眼してると思う。まぁだからといって応援はしないけどね！！
「よし！飯作るから環も手伝え！」
「わかった。晩飯なに？」
「すき焼き」
「よっしゃっっ！！！」
俺が最高の肉を作るって言って環くんはキッチンに向かっていった。
その隙に一織くんの部屋に。
自分から相談するっていっといてなんだけど、ちょっと逃げたくなってきた。
いや、解決できないからするんだからダメだよね。でも内容が内容だからなぁ……。
『……よっし、行こう』
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作者名：ラディ | 作成日時：2019年5月12日 22時
