第３２話 ページ35
『まってよ、アザミ』
唐突に話に割り込んで来たのは１人の少女。
いつもより悲しげな瞳を、創造主__アザミへと向けた。
『何故彼を巻き込む必要があるのさ？"繰り返す世界"は終わりを告げたんだ。
それとも……別の理由でもあるの？』
真っ直ぐ、射抜くような鋭い眼差し。
それは創造主の記憶から、とある人物を思い出させた。
《アザミ！》
もう、決して聞くことが許されない声。
いく百年の時を経て、薄れ行く曖昧な記憶は色づき出し、
目の前の少女と重なる。
(随分昔を思い出したものだな)
内心、自嘲的にアザミは笑う。
彼女を少女に重ねるのはいけない。
もしそんなことをすれば…………少女は酷な思いをするだろう。
『答えろ』
《答えて》
少女の声が記憶の中の彼女の声と重なる。
やがて創造主は、絞り出すように話した。
「あぁ……………始まる。もう１つの物語が始まるんだ」
『！！』
『…………彼をこの世界に引き入れる？僕らと同じになるのか！？』
叫ぶ少女の瞳に映る感情____
この感情を少女が理解するのはまだ先になるだろう。
「あの小僧は新たな力になる。」
『だからといって…………！』
「A」
『………………アヤノ姉さん』
「大切だよね。仲間も、友達も、家族も。
……でもね、いつか絶対に、
"どれか１つだけを選らばなければならない時"がくるの」
『それが…………くるんですか』
「うん」
『そんなの…………そんなのっ！！』
．
．
．
．
やがて少女は帰っていった。
「あいつさぁ……なーんか、丸くなったよな」
クロハが口を開いた。
「うん、そうだね。……あの子達と出会ったからかな？」
それに同調するアヤノ。
「優しさは仇になる」
「……うん」
《よろしく、アザミさん》
《止めろ！お前らもこうなりたいか！？》
《僕達はずっと一緒だぞ！アザミ！》
《ア…………アザ……ミ》
《生きろ…》
その昔。
自分の手で殺めたかつての友を、
そしてその友に酷似した少女を、
記憶の隅へ追いやり、アザミはそっと目を閉じた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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8
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ベルリラR＊(プロフ) - 犖風さん» 面白いなんて……ありがとうございます！！更新頑張ります！ (2016年11月1日 20時) (
レス) id: 4a3262dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
犖風(プロフ) - ベルリラR＊さん» そうなんですか！なんかありがとうございます笑スッゴク面白いし上手なので頑張って下さい!! (2016年11月1日 20時) (レス) id: 80d7eb1c5a (このIDを非表示/違反報告)
ベルリラR＊(プロフ) - 犖風さん» ありがとうございます！夢主ちゃんは、僕っ娘(女の子）なんです！設定に加えておきますね(笑 (2016年11月1日 20時) (レス) id: 4a3262dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
犖風(プロフ) - 面白いです！！男主さんなんですか？それとも僕っ娘…？ (2016年11月1日 20時) (レス) id: 80d7eb1c5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベルリラR＊ | 作成日時：2016年10月31日 19時
