卒業 《4》翔side ページ8
パタン、と閉まった俺らの溜まり場の扉を見ながら、
潤「すんごいパニクってたね、Aちゃん」
と潤が笑う。
栗「あんなA見たの初めてかも(笑)」
と、それに同意するようにくれはちゃんも笑った。
翔「ご協力ありがとう、くれはちゃん。」
栗「いいえ〜、それで、どんなことするんですか？伝統行事って！」
パニクるAちゃんを見て心配そうな顔をするくれはちゃんに耳打ちしたのは。
“これからAちゃんが主役の伝統行事があるから、とりあえずうまくあしらっといて”
というお願いがあったから。
雅「とりあえず、姫君がとーっても綺麗に変身するの！」
というくれはちゃんの問いに
結論だけをにっこり笑って言う雅紀を見て、
栗「どうして…？」
と理解できなかった、というようにコテンと首をかしげる。
彼女の栗色のロングヘアがふわっと揺れる。
和「もう、相葉さん色々省きすぎだから！」
雅「だってそうじゃん！」
潤「わかったから、先代たちがいる前で騒ぐなって」
いつものように痴話喧嘩を始めた和と雅紀は、
潤に任せるとして。
翔「ちょっと長くなるけど、聞く？」
栗「聞きたいです！」
と輝く瞳で俺を見上げる彼女を
眩しいな、なんて思いながら。
翔「俺も先輩から聞いた話なんだけど、」
大切なこのチームの歴史を、
大切にしたい人に届けるために思い出しながら。
俺は特攻服のポケットに手を入れた。
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作者名：KIRA | 作成日時：2018年11月26日 18時
