祖母が推しを拾ってきました【第五人格】5

189.集合 ページ28

ナワーブside

俺達が荘園に戻って数日がたった
荘園に戻ってきた時は荘園のヤツらから根掘り葉掘り聞かれまくって返答が大変だったな…

A達と別れを告げてから今まで、俺達8人が集まることは無かった
…恐らく、無意識に避けていただけかもしれねぇけどな

カ｢…ナワーブ、ちょっと今いいか？｣

いつの間に居たのか、カヴィンが久しぶりに話しかけたと思ったら呼び出しをくらった
別に用事は無かったから了承し、カヴィンの部屋に案内されると他の6人も揃っていた

"あの世界での思い出を語ろう"
っていう訳では無さそうだな

重々しい空気の中、最初に口を開いたのは俺を呼び出したカヴィンだった

カ｢いきなり悪いな、実は…謝罪をしたかったんだ｣

ナ｢…は？｣

思わずそんな素っ頓狂な声が出る
謝罪？俺に？
"何かされたか…？" と思考を巡らせていると、カヴィンに続くように他の奴らも口を開いた

イ｢最後。…私達は逃げ出し、荘園に帰ってしまった。ナワーブだけ置いていって。それを謝罪したかったんだ｣

…最後
俺が自分の肘当てをAにあげた時のことか。
確かに、アイツらは先にワープに入っていってたな

エ｢ごめんなさい…エマ達は面と向かって話すことが出来なかったの｣

確かに、あの時のアイツらの行動を見て俺は
"何やってんだよアイツらは" と思ったりもしたが、明らかに謝罪する相手が違うと俺は考えた

ナ｢謝る相手は俺じゃないだろ…A達だろうが。
一方的に別れを告げて、アイツらの言葉を聞かず逃げ出した。俺に謝罪はいらねぇ｣

久しぶりの会話がこんな話になるなんてな…
けど、今更何を言っても遅すぎる

ワープはすでに壊された。
フィオナを脅してもう一度ワープを作らせようにも向こうにはサバイバーがいないから作ることが出来ない
…何も出来ない

ト｢僕、やっぱり嫌だよ｣

突然トレイシーがそう言った
他の皆もそう思って居たのか、次々に肯定した

ナ｢っはは、やっぱり未練タラタラじゃねぇか｣

あれだけしっかりと別れを告げたくせに後悔ばっかり残ってるのがおかしくて、思わず笑ってしまう

ト｢あー！笑うな！｣

ナ｢わ、笑ってねぇよ、っく｣

"笑ってるじゃん！！"
顔を赤くして俺を追いかけ始めるトレイシー
ま、俺は傭兵だからな。そう簡単には捕まらないけどな〜

イソ｢やはり、もう一度彼女達と会う必要がありますね｣

ノ｢だね、僕に良い考えがあるんだ｣

ナ｢偶然だな、ノートン。俺もだよ｣

奇跡、起こしてやろうか？

190.呼びかけ→←188.その後

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す