三話 ページ6
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「そうなんだぁ、じゃあもう一緒に遊べない?」
「…ウタが言うなら全然大丈夫だよ。いつでも誘って良いからね」
「やったー!!じゃあまた誘うね!」
Aは読書好き。
一つの小さな嘘はすぐに船員全員に伝わり、島に着く度に皆は私に本を買い与えるようになった。
本当は嘘なんだけどな…と思ってはいるけど今更言い出すのも私のためにお金を出して買ってくれた皆に悪いと思ってしまい、でも少しずつ読んでいるだけじゃ読み終えた本よりも貰う本の方が多くて、でも貰っておいて読まないのは失礼だからと読書の時間が一時間、二時間と増えていった。
そしてやっと全ての本を読み終えた時には‘‘Aは大人びている’’が赤髪海賊団の認識になっていた。
(違うんだよシャンクス)
私だって本当はウタのように我儘を言ってみたい。
一人ぼっちの空間よりも皆と一緒に居たいんだよ。
ただそこに居るだけで構って貰えて可愛い物に囲まれてみたいんだ。
ウタの部屋は船員からプレゼントされた洋服に、宝石に、ぬいぐるみ…人目見ただけで女の子の部屋だと分かる。
一方私は?私の部屋は一言で言うなら‘‘質素’’これに尽きる。唯一特徴的なものと言えば本棚に詰まった大量の本。シャンクスを含む全員がこれを普通だと認識しているけれど、どう考えても殺風景過ぎるだろう。
ウタが今のような我儘が始まる前、まだ平等に愛情を与えられていた頃貰った宝物も、今ではほとんどウタの所有物になってしまっている。
「A〜……あ、ごめん忙しかったね」
「いや、別に忙しいわけじゃ」
「ううん大丈夫!シャンクス達に遊んでもらうから!」
…私を遊びに連れ出してくれたのは、ウタ、貴方だけだったんだけどなぁ。
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チョコレヱト(プロフ) - マシロさんのことを陰ながら応援させていただきます。続き楽しみに待ってます!!(一部誤字がありますが気にしないで下さい) (27分前) (レス) id: f5508b36bf (このIDを非表示/違反報告)
チョコレヱト(プロフ) - 初めまして!初見ですがコメント失礼します。先に読ませていただいたのはこちらの作品なのですが、その後すぐにマルコさんルートも一気読みしました!字数が入らなくてなるので一言で言いますが、どちらも凄く好きになりました! (34分前) (レス) id: f5508b36bf (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 太陽さん» コメントありがとうございますm(*_ _)m 大学生活も落ち着いてきたのでまた書き始めました。ゆっくりではありますが更新頑張ります! (4月12日 9時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - ぴよラムネさん» コメントありがとうございます!こちら白ひげ海賊団ルートとはまた一味違った海軍ルートとなっております。なるべく早く更新出来るよう頑張ります! (4月12日 9時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよラムネ(プロフ) - コメント失礼しますー!私を見て欲しかったを読みたくなって探してたらこの作品に出会いました!!別ルートがあったなんて…!更新頑張ってください!続き楽しみにしてます!! (4月12日 0時) (レス) id: 4c4725f70b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マシロ_mashiro | 作者ホームページ:http:
作成日時:2023年9月3日 16時